学会へ行こう!プロジェクト②

みなさん こんにちは。

学会体験感想文を書いて、みんなでシェアしちゃおうという「学会へ行こう!プロジェクト。」今回は3人目、Kさんの登場です。



第56回 日本肺癌学会学術集会 参加感想文

(参加日程 1日目 11月26日 & 3日目 28日)


1.自己紹介 (ハンドルネーム K)

2014年2月末 X線で左肺大量の胸水貯留を認め、胸水から肺腺癌の細胞が発見。遺伝子検査を経て、ALK陽性が分かり4月からクリゾチニブで治療開始。2015年1月原発微大、胸膜播種再発によりクリゾチニブ終了。3月からプラチナ系の抗がん剤治療開始、現在にいたるまで維持療法中。


2.肺がん学会の印象(初参加)

学会の類には参加したことがないので比較できないが、会場も広く、3日間にもまたがり、医療関係者も大人数で、影響力と資金力も大きいのだろう。


3.自分が見た(見たかった)演題

 ①(患者・家族向けプログラム)肺がんの薬物療法の進歩
 ②(シンポジウム)EGFR、ALK-TKIの使い分け
 ③(患者・家族向けプログラム)医師が患者家族になって
 ④(患者・家族向けプログラム)ランチョンセミナー みんなで作る肺がん医療
 ⑤(一般演題)ALK-TKI

*ポスター演題に多くALKが取り上げられていたので見たかったが、会場が企業展示ブースと同じところで、見ることができずに残念であった。


4.演題の内容及び感想

 ①(患者・家族向けプログラム)肺がんの薬物療法の進歩
  市民講座で聞く基礎編。特に目新しい情報はなかったため、メモなし。
 ②(シンポジウム)EGFR、ALK-TKIの使い分け
  医療関係者向けの専門性も当然ながら高く、理解は厳しい。しかしながら、自分の病気が置かれている現状が少しでも感じることができた。自分にとって印象的な話は以下のとおり。

 ・第一世代のクリゾチニブ、第2世代のアレクチニブ、セリチニブ(現在レビュー中)に続き、Larlatinib、Brigatinibが控えている。
 ・ALKは症例数も少ないので、なかなか強い結論を出しにくい。
 ・クリゾチニブが長く効いている人はアレクチニ長く効いている傾向がある。
 ・ALKは脳転移の傾向が強いようだ。アレクチニブ以降は脳にも効くようだ。
 ・Beyond PD (悪化後も引き続き投与すること)とRebiopsy(耐性後のがんの変容を確認するための再生検)がトピックになっているようだ。


 ③(患者・家族向けプログラム)医師が患者家族になって
 奥様を乳がんで亡くした心臓外科医による発表。「ともに歩む信頼のおける医師を見つけることが大事」とのことであるが、これがなかなか難しい。また、在宅医療で最後をみとることができたのがよかったとのことであったが、自分の時はどうだろうかと考えてしまう。奥様はキリスト教徒であり、「死ぬことは怖くない」と家族に伝えていたようであり、家族はその言葉に救われていたようである。「医者の家族が患者になったとき」という本を出している。


 ④(患者・家族向けプログラム)ランチョンセミナー みんなで作る肺がん医療
 世界肺がん学会で賞をとった肺がん患者でもある日経BP社の山岡さんのお話し。肺がん患者としての心構えや、世界肺癌学会での市民によるアドボカシー活動についての発表。地域の患者会を超えて、どんなアドボカシー活動があって、日本でも実行可能か、必要かとの具体的なイメージがまだつかめていない私である。2年後、横浜で世界肺癌学会が開催されるようなので、全国連絡会もそれに向けて動き始めたという感じか。「肺がんは慢性疾患になる」とは心強い言葉である。


 ⑤(一般演題)ALK-TKI、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブについて、詳細はほとんど理解不能であるが、いずれも結果は良好との発表。しかしながら、奏効率が40%~50%で良好と評価されているが、患者にしてみるとあまり安心できる数字ではないなとちょっとギャップを感じた。



5.まとめ


ALKの最新情報を知りたいと思い参加したが、医療従事者向きの発表は、当然ながら専門性も高く、2倍速音声と高速スライドで、悲しいかな、ザ文系の私には正直全く歯が立たないものだった。医療情報サイトや医師の出しているブログ等でゆっくりキャッチアップできればいいなと思う。しかしながら、内容が分からないなかでも多少なりともALKのトピックが見えたり、ALKというマイノリティならでは医師も手探りのような状況で臨床しているのかなという空気を感じたり、ALKの発見者の命の恩人である間野先生を拝むことができたり(発表は見逃してしまったのが悔しい)と、ありがたい2日間だった。そして、自分はここで発表されている研究・調査をベースにした臨床によって生かされているのだなという実感。それにしても、あれだけの膨大な肺がん情報をキャッチアップし続けなくてはいけないドクターや医療関係者には頭が下がるばかりである。

患者・家族向けのプログラムの基本情報(基礎編)は、市民講座やキャンサーチャネルなどで既知であり、私には情報という点で目新しいものはなかった。そこで医学基礎(?)、用語など、医療従事者向きの情報もある程度理解の助けになるような「中級編」のような講座があるとありがたいなと思った。というのも、患者向け講座のなかでも話があったが、主治医にすべてお任せというのではなく、患者自らも治療の選択権を共有する時代になってきた。そのためある程度の知識防衛と、選択に対する納得感を得るためにも、リテラシーレベルを上げる必要性を感じている。

最後に、肺がん患者会の連絡会議に立ち会う機会に恵まれた。そこで、この協議会の取りまとめ役であり、ワンステップ!の代表を務める長谷川さんがキャンサーネットジャパンより「肺がんにおけるジャーナリズム(公報)優秀賞」を授与されたとのことを教えてもらった。治療を続けながら、患者会の立ち上げ、全国肺がん患者会連絡会議の立ち上げに帆走されている姿勢に感服するとともに、この感想文を書くことも、アドボカシー活動の一環になるとのことであり、このような機会を与えてくれたことも感謝。

以上


Kさん、ありがとうございました。ALKの患者さん、たしかにすくないですよね。貴重な情報共有になったのではないかと思います。それにしても、もうすぐセリチニブが出てくるのでしょうし、続いて2つの薬が控えているんですね。開発の進み方がすごいです。そんな印象を受けました。
また「お医者さんは一生勉強し続ける」とよく聞きますけど、学会へ行くと、それを体感できるのかもしれないですね。感想文読んで、がんばっているお医者さんを素直に応援したい気持ちになりましたよ。ありがとうございました。



次回は4人目の登場です。
ご期待くださいませ~。