「患者・家族・医療者のコミュニケーション」

パンダさん その1

今年のパールリボンキャラバンの日程もお届けさせていただきましたが、

昨年のパールリボンキャラバン2018で講演された記録です。

患者と家族のコミュニケーション です。


みなさま、こんにちは。
今日はこのような場を与えていただき、ありがとうございます。

私の体験は、主に手術に関するところになりますので、みなさまの体験と似ているところもあれば、全く違うところもあるのではないかと思いますが、しばらくの間お付き合いいただければと思います。

今日、みなさまにお伝えしたいことは、自分らしく生きること、自分らしい生活をすることについてです。

これは何も、自分ファーストとか自由に自分の好きなように、ということではなくて、肺がんを体験したことによって、変わっていったところもあれば、変わらなかったところもあります。

それは、自分自身が大切ににしているところが何なのか、ということを考えていく上で大事なことだと思っています。

またこの中に、医療関係者の方もいらっしゃると思います。

患者家族一人一人みんな違います。その違いを大事にしてもらえばと思いますし、なかなか患者家族から言い出しにくいこともあるのではないかと思いますので、是非関心を持って積極的に「どうですか?」という風に声をかけて話を聞いていただければありがたいなと思います。

 
 
まず、自己紹介と治療の経過についてお話をして、その中でがんとどのように向き合っているかについて、話を進めていきたいと思います。

ハンドルネームはパンダです。
家族は夫と二人暮らしで子供はおりません。
タバコは吸いません。
仕事は看護師をしています。
私は27歳の時に父を肝臓がんで亡くしておりまして、がん患者の遺族でもあります。
そのことがきっかけとなって、がん看護の領域の仕事をしています。
手術後体力がなかなか思うように戻らなかったことから、離職に至っていますが、手術後の肺がん仲間とたちと一緒に患者会を立ち上げて、活動を行っています。

治療については、2014年の1年に1回の検診で胸部のCT検査を受けました。1㎝大の陰影がが見つかり、肺がんの指摘を受けました。
その数年前に、私は肺炎を4回繰り返していまして、この検診の時に、元気なときの胸のCTを撮っておかなくてはならないとなと思って、CT検査をこれはオプションで受けて診断に至りました。
2015年1月に開胸術で左の肺の区域切除術リンパ節郭清を行っています。
縮小手術という話もありましたが、区域切除ではありますが開胸手術を受けています。
手術前に主治医からは当時のガイドラインで、ステージは1Aと言われていましたが、病理結果は幸いにも高分化型の腺がんということで、ごくごく初期のものでした。
EGFR遺伝子も調べていますが、変異は陽性でした。
術後は痛みしびれに大変悩まされて過ごしています。
 
では、当時の3年前にさかのぼって、お話をしたいと思います。

告知は、検診の結果を外来に持って行った時に、医師の「これは肺炎の名残ではなく肺がんですね」の言葉に、頭が真っ白になってしまいました。
私は加過去に肺炎を起こしていたので、そのことが気になっていまして、当時のCTの結果と比べてみると、同じ場所にやはり陰影がありましたので、大きさが変わってないということから、本当にがんなのかどうかという疑問もありました。
医師からは「大きさが変わらなくても、そういうがんもある、この周りのギザギザした感じはこれはがんですね」と説明されました。
さらに医師から「どこで手術しますか?」と聞かれました。
その病院では呼吸器外科はなかったため紹介するということでした。
私は頭が真っ白な状態だったので、「はい、考えてみます」と返答するのが精一杯でした。
仕事柄二人に一人ががんになる時代だと理解していましたし年齢とともにがんのリスクは高まるという風に思っていますので、なぜ私が?という風には思いませんでした。
ただ、家に帰って肺がんの本や、肺癌学会のホームページなどで調べたのですが、その時の、調べる手が震えていたのを今でも覚えています。
 

治療方針の選択について、怖さがありました。

もちろん、標準治療、治療のガイドラインに沿って治療を受けるべきと考えていますが、肺がん患者の語りで「情報を鵜呑みにせず確認することが大事」「自然に任せる、先生に任せる」経過を振り返って「様子を見ていたのはどうだったかな」という入院中の肺がん患者さんの語りから、生き方について学び、勇気をもらい、背中を押されて決めることができたなあと思います。

 

家族には、ショックを受けるだろうと思うとなかなか言えませんでした。

当時、私は外来の抗がん剤を点滴する治療室で仕事をしていまして、患者さんに「ご家族はどうおっしゃってますか?」とお聞きすると、「家で病気の話をすると暗くなるし、家族も心配するからあまり話をしない」と言われることも多かったです。

私もなかなか言い出しにくく、皆さまのお気持ちがよくわかりました。

 
次回に続きます~