LC-SCRUM その4

みなさん、こんにちは。


EGFR変異なし、ALK融合遺伝子なし。

そんな、「なしなし」肺がん患者さんのためのLC-SCRUM特集その4でございます。

さて今回は、実際に検査を受けられて、遺伝子を発見→臨床試験へと結びついたお二人の事例をご紹介します。

 


<一人目 平岡輝彦さん 男性 40代 ROS1発見!>


平岡さんは2010年の12月に病気が発覚。腺がんでした。ステージ4でしたので治療は薬のみ。以来3つの薬を試してきました。

で、昨年の年末の話になります。


平岡さんはその3つ目の薬に耐性ができてしまいました。そして体調も崩れ始めます。胸水がたまり、脇に痛みも感じ始めました。会社にもいけなくなりました。これまで副作用で具合が悪くなることがあっても、がん自体で具合が悪くなったことはありません。胸水の量も多く、「俺はどうなってしまうんだ?」と考えたそうです。


そして4つ目の薬にチャレンジ。国立がん研究センター中央病院に通院する平岡さんは、臨床試験をいつも希望し、参加しています。4つ目の薬も臨床試験。TAS115という大鵬薬品の薬です。平岡さんいわく、過去2回臨床試験を受けていて、どちらも効果があった。だから今回も・・・と期待を抱きました。


ところが、結果は・・・×。効かなかった。しかも転移もありました。肝臓、骨、脇腹の3箇所。脇腹の転移は、胸水抜くために入れたドレーン(管のことね)が原因で移ってしまったらしいです。よく針でさすとがんが散るなんて聞くけど、それと同じ。さらに、副作用もひどかったのとのこと。食欲がまったくなく、わずか1ヶ月で20キロやせてしまったといいます。

薬が効かず、しかも体重が20キロ落ちる・・・

 


しかし、平岡さんには大逆転が待っていましたよ。


主治医が平岡さんにむけ、こういったといいます。


「平岡さんはある遺伝子を持っていて、それに効く薬がある。
それをやろう」


平岡さんはLC-SCRUMですでに遺伝子を調べており、「ROS1」が見つかっていたのです。データでは薬をはじめてから効かなくなるまでの期間が19,2ヶ月。

これ、イレッサやタルセバやら、ALKのクリゾチニブ含め、どれよりも成績がいいじゃないですか。だからその薬をやろう、と持ちかけたわけですね。平岡さんとしても、保険適応の標準治療よりも臨床試験を希望していたため、即OK。で、服用が始まりました。

ROS1を持っている患者に効く薬は、クリゾチニブ。(ALKに効く薬と同じ)飲み薬です。毎日服用する日々が始まりました。


そして、大事な効果のほうはというと・・・


効いていました!!!効いてたぜ!!!


腫瘍は小さくなっていたそうです。さらにさらに、増悪によって起こっていた痛みもなくなっていったといいます。


現在、平岡さんは会社も復帰して、普通の日々にもどっているようです。
ROS1恐るべし。

 






<二人目 ライオンドッグさん 女性 40代 この方もROS1発見!>



都内の大きな病院に通うライオンドッグさん。最初に結論を書きますが、上記の平岡さんと同じく、ROS1という遺伝子は見つかりました。しかし、クリゾチニブは効かなかったそうです。

 

ライオンドッグさんが肺がんになったのは2011年のこと。以来アリムタ+シスプラチン、タルセバ+Metmab(臨床試験)、TS-1と続けてきました。

ROS1が見つかり、臨床試験に参加したのは2013年のこと。そのときのLC-SCRUMは150種類もの遺伝子を調べていなくて、数種類だけだったそうな。初期に参加したわけですな。で、臨床試験は中国、日本、韓国、台湾、総人数110名。日本に割り当てられたのは20名。そんな狭き門だったそうです。


そして服用開始。クリゾチニブ。朝晩2回飲みます。副作用は下痢。それと目がチカチカしたそうです。


気になる効果のほうはというと・・・効きませんでした。


どういうことでしょうか?


前提として、ROS1という遺伝子を持っていれば、クリゾチニブという薬が効くはずですよね。うーん・・・やっぱり、100%というのはありえないようです。確率としては70~80%ほど。5人に1人は効かないといいます。ライオンドッグさんもその1人でした。理由はわかりません。

ライオンドッグさんは、薬を使う前から、「ROS1見つかってよかったね」と医療関係者から言われていたそうです。さらにその病院でROS1がわかったのは、ライオンドッグさんで3人目。前の2人が効いていました。だから、本人もその気でした。でも結果は違った。


そのときの気持ちは・・・


「ショックというよりも、そんなもんなのかな・・・」


という思いだったそうです。

そして・・・次の薬をどうするか?

ライオンドッグさんはすぐに切り替え、次に向かったそうです。

 



さてさて、
LC-SCRUM特集 これにていったん終了です。

書いてみての感想を少し。
この情報が、僕のようないわゆる「EGFR・ALK なしなし患者」本当に届いたのかな、と考えてます。このタイプは人数が一番多い割に、ブログやネット上ではあまりみつかりません。また、そもそも実際に検査している200病院は大きいところばかり。そこに通っていない人、そこから病状進んで転院した患者さんには、原理的に届かない仕組みになってる。その人たちへ知らせたいな、と思います。でも、HP以外、なんにもできないんですけどね。

内容も難しかったのではないかと思ってもいます。
次はもうちょっと工夫して、進んでいきたいと思います。

また、もし皆さんがLC-SCRUMに参加したら、その感想いただけるとうれしいです。

こういった企画ものは続けていくつもりです。
よろしければまた読んでくださいませ。