LC-SCRUM その1

こんにちは。
個人の応援ブログ改め
肺がん患者の会・ワンステップ!本日よりスタートいたしました。
皆様よろしくお願いいたします。
どんな患者会なの?あんた誰?とかいろいろ疑問があると思いますが
そんな時はホームページをご覧くださいませ→ココ
感想や相談などなど気軽にコメント欄orメールしてくだい。
では、肺がん患者の会・ワンステップ!の記念すべき一回目の報告です。
千葉県の柏市にある「国立がん研究センター東病院」
患者会代表・さくえもんが行ってまいりました。
目的は、
遺伝子スクリーニングプロジェクトLC-SCRUM-Japan(えるしーすくらむじゃぱん)。
今、がんの治療ですごい変革が起こっています。
未来の話じゃない。今の話ね。
さて、LC-SCRUMといっても何のこっちゃとみなさま思われることでしょう。
ご説明しましょう。簡単に言うと、
① 遺伝子解析が進んで自分によく効く薬が見つかるかもしれない
② もし見つかったらその薬の威力がすごすぎる。(もちろんハズレもあります)
もうちょっと続けます。
LC-SCRUMがどれほどすごいのかを理解するために、肺がんの歴史をみてみます。
肺がんは本当に厳しいものがあります。死亡数はがんの中でトップ。進行し、転移したステージ4であれば、だいたい1年ほどといわれています。肺がんの抗がん剤に治療効果があるとわかったのは、17年ぐらい前のこと。バブルの頃なんて、治療しても治療しなくても生きる時間は変わらなかったことになります。で、無治療だとだいたい6ヶ月です。つまり、17年かけて6ヶ月→1年になった。医学が発展し、17年で半年の延命を可能にしてきたわけです・・・厳しいなあ。
しかし、2000年代に入ってブレークスルーが起こります。
「分子標的薬」の登場です。聞いたことありますか?
生存期間を1年から2年にしました。いきなり、なんと2倍ですよ。夢の新薬なんていう表現もあったようです。
ただ、問題がありました。
この薬を使うには条件があったのです。前もって検査し、特定の遺伝子異常をもっている人しか使えません。EGFR変異とかALK (あるく)融合遺伝子とかいうやつね。
分子標的薬は、EGFR変異なら「イレッサ」、ALKなら「クリゾチニブ」、というように、それぞれの遺伝子異常にあわせて開発されています。当然その遺伝子異常を持っている人にしか効果がないわけです。
そして上記の遺伝子異常は、肺がんの中でそれほど多くはありませんでした。つまり、分子標的薬を使える人はあんまり多くないじゃん、いうことです。私、さくえもんもその1人です。

しかし,しかしですよ。
ちょっと待ってちょっと待っておにーさん、ですよ。
最近になって、がんに関わる遺伝子異常はこの2つだけではない。他にもたくさんあることがわかってきました。下の図を見てくださいませ。

さあ、長かった前置きも終了。もどりますよ。
遺伝子スクリーニングプロジェクト LC-SCRUM とは・・・
がんに関係する150もの遺伝子異常を一気に全部調べてしまうというプロジェクトです。
なんらかの遺伝子異常が見つかれば、それに対応する分子標的薬があるかもしれません。
ちなみに、その効果はというと・・・
もしROS1(ろすわん)という遺伝子異常が見つかると→クリゾチニブという分子標的薬が効く。この薬をはじめてからがんが進行するまでの期間が,19.2ヶ月という報告があった。これは生きている期間じゃないです。薬一個が聞いている時間ね。この数字、肺がんの厳しさを知っているものならば、どれほどすごいのかはわかるはずです。
今回はここまで。続きます!
