食事の工夫で栄養のチカラを見直そう

川口美喜子先生 講演その①

さてさて

2017年4月16日に行われた川口美喜子先生の講演をアップいたします。

 

まずは川口美喜子先生のご紹介です。

酉年生まれ さそり座  血液型 B型

昭和56年大妻女子大学家政学部食物学科を卒業。平成5年に島根医科大学研究生を終了し博士(医学)学位を取得。平成8年~16年島根大学医学部附属病院第一内科文部教官。平成16年から9年間 島大病院栄養治療室室長を勤務し、平成25年から大妻女子大学家政学部教授と島根大学医学部 臨床教授、特別協力研究員、お茶の水女子大学非常勤講師として活動しています。現在教職と新宿区「暮らしの保健室」、豊洲「マギーズ東京」において地域・在宅のがん患者さんの食事支援を行っています。

 

それでは、講演の内容をどうぞ~!

みなさん、こんにちは。

がん患者さんの栄養治療とか、科学的なエビデンスに基づいたその栄養の在り方とかは、私よりも、病院でやっている栄養士のほうがずっとずっと多分、知識も技術も持っていると思うんです。でも、私が時々お話しさせていただくのは、話を聞いたことで勇気が出た、元気が出たというふうにおっしゃるので、それも一つの治療かなと思っていますので、おつき合いいただければなと思っています。

 

 

 

<食事がたりなく、栄養摂取量が少なくなると・・>

 

がん患者さんの栄養状態の低下には2つの段階があります。まずは、「がん関連性の低栄養」ということがあります。それは、皆さん、お薬であったり、術後であったり、放射線治療であったりすれば、食欲不振が出たり、それから粘膜炎が出たり、そういうことで食べられないときの栄養摂取量の低下が、「がん関連性の栄養低下」といいます。

 

消化器がんの人であれば、胃の手術後はどんと食べ込みが悪くなって落ちます。そういうのは、管理栄養士が皆さん一人一人に出会って、その対応策を考えたら、何とか対応はできます。でも、栄養状態がだんだん落ちていきますと、がんそのものから栄養代謝が異常になってくる。そういうのがどんどん進んでいくと、栄養消費量が増大しているので、なかなかそこは、栄養状態を改善するのが、栄養士の力だけでは難しくなってきます。これは、がん患者さんの中に、「がん関連性の低栄養」と、「がん誘発性の低栄養」があるでしょう。

みなさん、がん関連性低栄養のところが大きくなったときに、どうぞ早めに栄養のことを考えてください。人は食べないと生きていけない、誰でもそうです。そのときに考えてください。それを、今は食べることよりも治療が大切だから食べること考えられないの、って食べないでおくと、「がん誘発性の低栄養」が早くに進んでいきます。そうすると病気の進行はどんどん進んで、食事摂取量はさらに低くなり、体重は落ちてくるということで、QOLが低下します。

<自分が低栄養状態かは、体重減少でわかる>

 

体重減少ってどれぐらいを減少っていうの?っていうと、1週間で1から2%の減少、ひと月で5%の減少、半年間で10%の減少があったら、これは重大な体重減少だと思って、積極的に食べ方を学んでいきましょう。

 

例えば体重が50キロの方、2%以上ってなれば、1週間に1キロ体重減少したら、ひと月で2.5キロの体重減少があれば、半年で5キロの体重減少があれば、それは、ちょっと食べ込みが足りない、栄養状態が不良になっているというふうに自覚してください。治療は、今は本当に最新治療でドクターがするものです。看護師が寄り添うものです。でも、本当の治療は自分がやっていかなければいけない。そのときに自分の栄養状態はどうかって見るときに一番いいのは、体重の減少は誰だって見ることができますよね。そしたら、そこのところを見ていただければいいかなと思います。

で、皆さん、大体、身長がどれぐらいですかね。自分の身長、当てはめてみてください。私は146センチぐらいだわ、私は151センチぐらいだわ。皆さん、自分の身長、大体どこにあるか、5センチ刻みにしています。で、標準の体重がここで示しています。155センチなら52.9キロが標準の体重です。その人が60キロ以上あれば、ちょっと過体重かな。その過体重は、脂肪が多すぎるかもしれない。

 

浮腫のある人は除くんだけど、それは減らしていかないといけない。私もちょっと中年太りなんですけど、脂肪そのものって、ただ単に私のように、ちょっとおなかが出るとか体型を悪くするものではなくって、脂肪細胞の中からいろんな悪さをするものが出てくるので、やっぱり脂肪をちょっと落とさなくちゃいけない。155センチで42キロ以下の人がいらっしゃれば、その方は低栄養です。何とか体重を戻していかなきゃいけない。

<1日に必要な食事量>

 

栄養士としては、患者さんに目標・「エネルギーは何キロカロリー取ってください」っていうことを定めます。これはみなさん自身で計算できるんです。自分の標準体重、真ん中に標準体重がありましたよね。標準体重、皆さんメモってもらってもいいですかね。そうしたら、その標準体重に対して27.5から30をかけてもらったら、必要なエネルギー量が出るんですね。私は42キロ切ってたわ、155センチ以下で。そうしたら、27.5か30かけて、さらに1.1倍してください。

 

私は、ちょっと体重が多かったわっていう人は、そこに出た値に0.9をかけてください。それで出してみると、160センチの人だったら、160センチで標準体重だよっていう人は、1548から1689キロカロリーを取りましょうというのが目標になります。144.8センチ以下、低体重だったわっていう人は、1.1をかけるから、1702から1858キロカロリーになります。体重64キロ以上の人、ちょっと減らしましょう。1392から1520キロカロリーなんですね。教科書にはこう書いてあるんです。教科書にはこう書いてあったので、私は、160センチの人を計算して、こうやってみたんです。

でも、低体重の人、食べられないから、低体重になるのに、これだけ食べろって教科書には書いてあるんですよね。だから、栄養士は、もう必要ないって嫌われるんですよね。低体重の人、1700食べて。はい、体重が多い人、1390に食べて。食べるから体重が増えているのね。食べられないから体重が落ちてくる。

 

 

 

<やっぱり大事なのは・・・主食・主菜・副菜>

 

私はいろんな患者さんに出会ってきたんですけど、食べられないのは何でなのか?食べられない人は、やっぱり栄養障害(低栄養)になるんですね。

 

まず1番は、エネルギー不足。エネルギー不足は何でなるかっていうと、口当たりがよくって、のど越しのいいものばっかり食べちゃう。今の時期だとトマト。だから、トマトばっかり食べてご飯を食べていないとか。それから、たんぱく質、アミノ酸がとれない。肉や魚とかが食べられない。それから、脂肪が欠乏すると必須脂肪酸もとれなくなる。これは、肉や魚や卵食べていたら大体取れるけど、食べれらないから同時に起こる。それから、食べると嘔気がする。それから、もう口に入れたくないっていうことで水分も取れていないと、脱水や解質異常にもなってくる。そしたら今度は、だんだん食べる量が少なくなるっていうふうなところで、こういった、何かしらに偏りがあると栄養障害(低栄養)になるんですね。

カロリーさえ取っていれば、私たちは体重が維持できるかっていうと、そうじゃないんですね。人の体は、ある一つのものを食べてたら体重が維持できていい体になるかっていうと、そうではなくって、これが全部取れていかないといけないんです。だからおすすめしているのが、「主食、主菜、副菜を頭に入れて食べてください。」当たり前なんだけど、これができていないんですね。そして1日に1回は、乳製品と果物取って、これからは脱水にならないには、おみそ汁、朝晩、飲んでください。

<お味噌汁朝晩飲んで高血圧になる・・・?>

 

お味噌汁朝晩飲んだら高血圧になってしまう・・・?なりません。私、中央味噌研究所というところで、ずっと一緒に仕事してきました。おみそ汁って、塩分が1杯飲むと1.1から1.5gぐらい取るとなっているけれど、ちょっと違う。うちの学生に全員に、あなたたちがおうちで作るみそ汁作ってみてって、鍋と、みそとだしと材料持ってきて作らせたら、大体0.6から0.8g。薄味って人は、0.4グラムぐらいですね。あと、おみそ汁は大豆でできているので、大豆ってカリウムが多くて、ナトリウムを排泄する方向に働くので、おみそ汁は2杯飲んでもいいんです。ただし、わが家はお父さんもお母さんも、みんな血圧がめちゃくちゃ高かったっていう人は、ちょっと気をつけて薄味にしていただいたらいいです。