top of page

臨床試験に興味を持ったきっかけ(昨日の続き)

みなさん こんにちは



連日の投稿です。忙しい時期がやっと終わり、ブログがそれなりにかける様になってきて、うれしいです。




今日は少し個人的なことです。

前回のブログで臨床試験の学会に行ったことを書きましたが、そこで、こんな質問を受けました。



「臨床試験に興味を持ったきっかけは何ですか?」



です。



つらつら思うことを述べていくと、自分でも、「そういうことだったのか!」と合点がいく部分があり、言葉にしたことがなかったので、ちょっと書いてみたいと思います。




結論を先に書くと「私は臨床試験のことを知りたいわけではない」ということになりました。




話は2010年の夏にさかのぼります。

私はその年の2月に病気がわかり、3月から治療を開始しています。薬はアリムタとシスプラチンです。

その時の写真残ってます

o0215021514076336249.jpg
o1280072014076344433.jpg
o1280072014076344435.jpg

こんな感じに大幅に縮小しました。PET集積もなくなります。

先生からは20人に一人いるかいないかだね、なんて言われて有頂天に。「もしかして治ったのか・・・俺は宝くじに当たったかもしれない。やっほー。」そんな思いが湧きあがったことを覚えています。


その思いを主治医にぶつけてみたこともありました。すると、先生は黙ったまま。予想と異なる反応です。セカンドオピニオンで聞いた先生方も同じ態度でした。


その後の経過はというと・・・私の願ったようにはいかず、先生方の言う通りになりました。維持療法に入った途端、増悪です。転移もくっついてきました。

かなり縮小しても、長くは続かない。

奏功期間は中央値というタイプのようです。

現実を思い知りました。

以降、再燃・転移を繰り返し、薬は8つ使用しています



さて、話をもとに戻します。
臨床試験の話です。なぜ興味を持ったのか?




病気が発覚して治療に入ったわけですが、治療が効いているとわかると、心が落ち着いてきます。そこで、インターネットでがんのことを調べるようになっていました。皆さんも同じとおもいます。


いわゆる氾濫する情報の中に入っていきました。


海藻や、キノコ類。

免疫力最強活性!と書いてある玄米の粉。これは買いました(笑)。ヨーグルトに混ぜて食べたらまずかった。。。ビワの葉、気功、漢方、ビタミンCなどなど。HPでよく見ました。


こういった情報だけでなく、きちんとした情報も入ってきます。

がんのことを少しずつ分かってもいきました



まず余命のこと。余命は生存期間中央値のことで、幅があることがわかりました。私は月刻みのことを言われましたが、それ以下で短くなる場合もあること、それ以上に長くなる場合もあることを知ります。



新薬の研究も進んでいることもわかってきました。様々な臨床試験が走っていて、学会があるたびに、いろいろなところでその結果が報告されていたからです。全体像はわかりません。でも、肺がんでいろいろな薬の臨床試験が進んでいることだけはわかりました。


当時、まちがっていること、正しいこと、その判断はつきません。エビデンスレベルとか言葉も知らない。肺がんにかかわることすべてをむさぼるように読んでいました。





そんな中で治療選択の時がやってきました。


私のファーストラインはアリムタとシスプラチンです。シスプラチンは6回以上使わないというルールがあります。4回くらい使ったあたりから、6回使ったあとのことを先生と相談するようになりました。



2010年当時、維持療法が出てきたころと思います。

先生はその維持療法を説明してくれました。



今までの治療では、シスプラチンを4回か6回やったら治療をあえて、お休みする。そして増悪したら、次の薬をする、治療再開というものだそうです。薬を使い続けることは意味はなく、かえって悪い結果を生むとのこと。きちんと休んで、体力を戻し、次の戦いに備えるという感じです。



ところが、そのまま薬を使い続ける方法があみだされました。それが維持療法です。薬で言うとアリムタとアバスチンがその使い方をします。スイッチとコンティニューがあることなどなど、先生は説明してくれました。



その時です。雷を打たれたような感覚を持ちました。



良い悪いの区別がつかず、むさぼるように読んできたがんの情報の中から、先生が説明してくれている維持療法に関する臨床試験の結果が、頭の中らパパパっと表に引き出されてきたんです。

「あっ、これ、がんナビに書いてあったものだ!」

先生が挙げる選択肢の根拠が瞬時に浮かんできました。



言い方を変えます。


本やインターネットにある情報は、自分がこれからどう治療するかの選択肢と結びついていませんでした。情報は情報。治療は治療。そんな状態から、情報と治療が結びつく瞬間が訪れたのです。




これが意味することはとてつもなく大きいと思っています。

治療選択の場面、それは自分の命を左右する大事な大事な場面です。

そこで、医師の言葉の根拠を知れたということです。ただ説明を受けてわかりましたと答えるだけではない、なんというんでしょう、同意じゃなくて、合意でしょうかね。そんな感覚を得ました。


もっというと、治療選択をより一緒にできた感、納得感が強まったということです。(うーん、伝わるでしょうか。)




やっと答えです。

どうして臨床試験に興味を持ったのか?



私が知りたいのは、私が生き延びるうえでの治療選択にかかわる情報です。一言で言うと、それはエビデンスです。そしてそれは臨床試験そのもの。そしてそれは、体感をもって、すべてが一本の線でつながっていることがわかりました。机上ではない。私の実際の治療を進める根拠。


ならば、次の選択の時に備えて、それを知らなければならない。

治療が冬に始まって夏を迎える前、そんな確信を持ちます。

こうして臨床試験に興味を持ち始めていきました。




ということで話は終わるわけですが・・・具体的じゃないですよね。実際のところ、ちょっとやってみましょう!



▼臨床試験を知ると治療が見えてくるコーナー!!!



でも、長くなったので、続きは明日に。

bottom of page