治療が見えてくる。個人の体験から。

みなさん こんにちは


では今回のお話。

前回の続きです。自分の治療をわかるために、臨床試験(エビデンス)知っておく。


ということで・・・実際のところ、どういうことかちょっとやってみましょう!


臨床試験を知ると治療が見えてくるコーナー!!!


難しければすみません!しかも長い!



お題は「免疫チェックポイント阻害剤について、使い方のルール」です。

免疫チェックポイント阻害剤の選ばれ方です。書いてみますね。



まず、今のところ、免疫チェックポイント阻害剤は非小細胞肺癌に使われます。

2つ薬がありましたね。(テセントリクは今は置いておきます)



使い方のルールが全然違う。 
これ、いったいなぜなんでしょう?




▼キイトルーダ
①PD-L1発現50%以上だとファーストラインで使用する
②PD-L1発現1%以上なら2次治療で使用する


▼オプジーボ
①PD-L1発言は基本関係がない。調べなくても使える
②腺がんなどの場合、2次治療もしくは3次治療以降に使える(ファーストラインは使えない)
③扁平上皮癌の場合は2次治療で使える(ファーストラインは使えない)




このルール、ぱっと入ってこない方、いるのではないかと思います。
どうしてこうなっているのか、臨床試験を知ると、すっと入ってきます。



説明の前に、臨床試験そのものを少し理解する必要があり、説明します。



▼臨床試験を理解するために その1 
 「そもそも、患者に使う薬の順番はどう決められるか?
  → 一番強いものから使う」




まず、肺がんに罹患した時、最初の薬は一番強い薬、効果の高い薬から使います。

A>B>C

というような感じ



実際に、腺がん(EGFR,ALK,ROS1なし)の方だとこんな感じ

(※扁平上皮がんはアリムタとアバスチンがないだけです。他は変わらない。)

で、

この順番を決めるのが 臨床試験です



▼臨床試験を理解するために その2 
 「効果を比較するという言葉よりも、どちらの効果が高いか対決していると考える」




臨床試験を説明するとき、比較試験という言葉が使われています。その通りでどちらの薬の効果が高いのか比較しています。ところが、英語では比較という言葉使われていないんです。使われているのはこれです。 「VS」(バーサス)


〇〇と▽▽の比較試験  


と日本語では書いてありますが、英語では


〇〇 VS ▽▽


と書いてあります。


その通り、「比較」より、「VS」 と考えた方が、すっと理解ができると思います。
薬の使用の順番は対決を繰り返して、強いものが勝ち残り、決まっています。

次のその3で例を挙げます





▼臨床試験を理解するために その3 
 「新薬は初めに2次治療と闘い、勝てば王者である1次治療と闘う」(基本)




新薬Dが出たとき、狙うは当然、1次治療(ファーストライン)です。一番最初に使うわけですから人数が多いですよね。患者への貢献として一番高い。4,5番手に使うとなると、もう実際の治療で使われるかよくわからなくなります。


しかしながら、新薬Dの効果はどの程度かわかりません。ほかの薬と対決して、効果を争います。最初に1次治療と闘うわけではありません。王者ですから、強い。

負けたら、開発費どうするんだということにもなります。そんなこんなで、だいたい2番手に勝負を挑みます。

そして勝つと

2次治療の順番が入れ替わります!

つまり臨床試験とは・・・

「薬の順番のポジション争い」とも考えることもできます。

だいたい2番手と最初に勝負。そこで勝てたら、2番手のポジションに入れます。僅差で勝つか、大差をつけて勝つかで、だいたいの実力もわかります。

そして1次治療・ファーストラインの薬に挑みます。そこを制すと、一番最初に使う薬ですから、人数も当然多いですし、貢献度・効果も一番高いということになります。王者となります。



これで臨床試験の基本説明終わり。ここから具体的になりますよ。



★オプジーボで考えましょう。



このルール・使い方はどう決まってきたのか?


▼オプジーボ
①PD-L1発言は基本関係がない。調べなくても使える
②腺がんなどの場合、2次治療もしくは3次治療以降に使える(ファーストラインは使えない)
③扁平上皮癌の場合は2次治療で使える(ファーストラインは使えない)





臨床試験を追うと、このルールが見えます。

まずオプジーボが登場していない時の順番はこうです

そしてオプジーボが登場します。

まずは2番手、ドセタキセルに挑みました。

そして、勝ちます。

オプジーボは見事に2次治療の位置を獲得です

こうして、2015年の年末でしたかね。オプジーボは2次治療として承認されます。
PD-L1は臨床試験での項目に入っていませんので、関係ありません。誰でも使えます。
またオプジーボは、腺がんと扁平上皮がんで分けて成績が出されています。



続いて、オプジーボはファーストラインへの挑戦をします。ついに王者と激突です。

結果はというと・・・

負けました・・・・・・・

ということで1次治療にはなれません。

結果、2次治療となりました。

それをまとめると、一番最初の結論になります。


▼オプジーボ
①PD-L1発現は基本関係がない。調べなくても使える
②腺がんなどの場合、2次治療もしくは3次治療以降に使える(ファーストラインは使えない)
③扁平上皮癌の場合は2次治療で使える(ファーストラインは使えない)



※②の3次治療のことには触れていませんが、高額薬剤の社会問題が起き、国のガイドラインで、腺がんで使用する場合は細かいルールが設定されています。

(これまた長いので、またの機会に)



★続いてキイトルーダを考えてみます



▼キイトルーダ
①PD-L1発現50%以上だとファーストラインで使用する
②PD-L1発現1%以上なら2次治療で使用する




この使い方、どう決まってきたのか?またもや臨床試験を追うと見えてきます。


まず、キイトルーダでは、腺がんと扁平上皮癌を分けていません。どちらも一緒に試験に組み込んでいます。

キイトルーダも2番手であるドセタキセルと対決しました。2番手のポジションを取りに行きます。

キイトルーダは、ここでオプジーボと異なる戦略を立てます。


PD-L1発現を持っている人に絞って、臨床試験を行ったのです。


PD-L1発現があると、奏功する割合が高くなる傾向があることがわかっています。

2次治療を行う人すべてを対象にするのではなくて、PD-L1を持っている人のみに絞ることで、大差をもって勝つことができると考えたわけです。それは、オプジーボとの差別化にもつながります。

そして勝ちました

2次治療の順番が入れ替わります

2次治療に勝ったキイトルーダは、続いて、王者である1次治療・ファーストラインに挑むことに。


戦略として、PDーL1発現を50%以上持っている人に絞って、勝負を挑むことにしました。

相手は強い。ならば、キイトルーダの効果の高い50%以上の人のみで対決することに、勝機を見出したのです。人数は少なくなってしましますが、勝てる勝負を選んだということでしょうか。

(※「比較」と考えていると、この辺は全く頭に入りません。理解不能。)



ファーストラインとの対決が始まりました

そして、勝ちます!

見事、ファーストラインを勝ち取りました。(PD-L1 50%以上の人に限る)



そしてこのルールで使用するようになったのです


▼キイトルーダ
①PD-L1発現50%以上だとファーストラインで使用する
②PD-L1発現1%以上なら2次治療で使用する




長々とやってきましたが終わりです。

以下の2つの薬の使い方は臨床試験を繰り返し、でた結論です。

臨床試験がわかると、この意味も分かるようになっていないでしょうか。



▼キイトルーダ
①PD-L1発現50%以上だとファーストラインで使用する
②PD-L1発現1%以上なら2次治療で使用する



▼オプジーボ
①PD-L1発言は基本関係がない。調べなくても使える
②腺がんなどの場合、2次治療もしくは3次治療以降に使える(ファーストラインは使えない)
③扁平上皮癌の場合は2次治療で使える(ファーストラインは使えない)



ということで、おしまいです~


次はがらりと変わり、体験者の声です。