「治験」ってなに?③-1 実際にはどう進むの?

もう7月半ば。暑くなってきましたね。

さて、「治験ってなに?」シリーズの3回目です。前回までそもそも治験とはどういうものなのか、探ってきました。

※読んでいない方はぜひ

1回目はこちらを★CLICK★
2回目はこちらを★CLICK★

今回は「治験はどう進むのか?」です。

みなさん治験コーディネーターさんを知っていますか?

 

治験を実施する医療機関において、定められた法律に従って、治験が安全で正確に実施できるよう支援する専門スタッフです。英語の頭文字をとってCRC(シーアールシー)(Clinical Research Coordinator)とも呼ばれています。

治験に参加している患者さんやご家族をはじめ、治験を実施する医師、治験にかかわるさまざまな病院内の他の医療スタッフ、製薬会社との調整を図り、治験全体をサポートする役割を担っているそうです。

 

患者からの目線でいえば、通常、診察・治療は医師と患者の間で進みますけども、治験の場合は治験コーディネーターさんも一緒になって進んでいきます。

 

※関係イメージ図

その治験コーディネーターさんに「治験が具体的にどのように進むのか?」聞いてみました。お話してくださったのは、国立がん研究センター中央病院の治験管理室・上山菊江さんです。呼吸器・肺がんを専門にしています。また、治験管理室統括の中濱洋子さん、治験管理室室長の山本昇先生が同席してくださいました。お忙しいところ、大変ありがとうございます。

―――こちらの病院では肺がんを担当している治験コーディネーターさんは何人くらいいらっしゃるのですか?

 

上山

CRC全体は約40人ぐらいです。うちの病院は課ごとになっているので、肺のCRCとか肝臓のCRCとか、そういうふうに臓器ごとに分かれています。肺のCRCは今5人です。

 

 
―――それは多いと考えていいんですか?

 

中濱

呼吸器という一つの課に専門的に5名がつくっていうのは、日本の中においては、比較的充実しているのではないかなと思います。ただ私たちの中では、まだ必要だと思っています。

 

―――こちらの病院では、年間、何件ぐらいの治験を進めていますか?

 

上山

今は年間約300ぐらい。呼吸器では約45ぐらいやっています。

 

 

★治験の最初の段階は、「同意」から始まります。とても重要。参加いただく治験に関して詳しくご説明します。
 

 

上山  

私たちが患者さんと最初に会うときは、大体外来で先生が診察をしているときに、この人治験に入れそうだなっていう方がいると、こちらに連絡がきます。患者さんに説明をして、やりたいっていう方向であれば、先生のあとに私が補助説明をするような感じになります。説明の内容はたくさんあって、「同意文書」をもとに説明します。そして、最後に同意のサインをしていただきます。すぐにどうしますかということではなく、ゆとりを持って考えていただきたいなと思います。

 

※治験の説明風景イメージ↓

こちらが、その説明・同意文書、なるものです。治験に参加した方が、参考にと貸してくれました。治験ごとに、患者さんにわかりやすいような言葉で作っているのだとか。

目次を見ると・・・なにやらいろいろ書いてあります。27ページほどありました。

―――どの項目が大事ですか?
 


上山  

はい、全部重要なことなので、全部お話ししています。もう全部重要です(笑)。この中身を全部お話します。

 

―――全部重要なんですね。

 
上山  

そうなんです。はい。ただ、やっぱりもう全部伝えるので、全部入らないと思うんですよ。なので「おうちに帰ったときに、よく読んでみてください」と言って、次の外来のときにまたわからないことが出てきたら、その都度聞いてくださいっていう話はしています。

 
 

では、その説明項目を、ひとつひとつ見てみましょう。
 

 

<同意文書を読んでみよう>

※すべてが同じではありません。基本、こんな感じということで読み進めてくださいね。

 
 

1.同意文書ってそもそも何か

治験の名称と、担当医師、治験コーディネーターがきちんと説明します、と宣言しています

 

2.治験とは?

フェーズ1とかフェーズ2など治験の段階についての教育的な説明と、今、説明される治験がどの段階に相当するのかが書かれています。

 

そして
 

3.治験の目的
4.治験薬についての説明
5.治験の方法


と続きます。治験の方法(検査項目やスケジュール)に関しては、非常に細かく書いてありました。27ページ中、13ページがその説明に割かれています。下の写真にある通り、非常に細かく書かれています。

上山

通常の診療よりはやっぱり検査が多くなることがあげられます。ちょっと特殊な検査をすることもあります。スケジュールがあり、決まった日に来ていただかなければいけないということがありますね。3週ごとだったら3週ごとに来なければいけないっていうのがあって、通常の診療ですと、先生に話をすれば、じゃあ、来週、その次の週にしましょうかってすぐ変えることができるんですけど、やっぱり治験ですと、2、3日しかずらせないということがあります。なので、そういうスケジュールを守っていただくのが治験に入っていただく条件にも入っています。

 

 

 続きます!

※この記事は公益財団法人正力厚生会の助成金によって作成されました