「治験」てなに?①
みなさんこんにちは。
突然ですけども、今回からあるテーマを追っかけていきたいと思います。それは、こちら。
はい、書いたとおりです。テーマは「治験」です。治験に対する皆さんのイメージはいろいろあるとおもいます。
「新しい薬を先んじて使用できる」
「すこし怖い・・・」
「治験に参加してくれた患者がいたからこそ、今の薬がある」
などなど。つかみどころがないというか、漠然としていて、どう考えればいいのかわからないですよね。
周りにいる治験の経験を持つ方々の話を聞いてみると・・・
ある患者さんは、昨年12月に承認されて、やっと今使われるようになったニボルマブ(オプジーボ)を3年も前に使用していました。
ある患者さんは、今、承認されてもうすぐ世に出てくるオシメリチニブ(タグリッソ)を2年前から使っているそうです。
上記2名とも治験に参加し、使用していました。自分の状況に合わせて、治療に治験を組み入れたのです。「新しい薬を先んじて使用できる」そういった事と思います。
ところが・・・
今回、4人の治験経験者に話を聞きました。4人が参加した治験は計11個。そのうち、薬として承認されたものは上記の2つだけです。治験のすべてが成功し、薬になるわけではないようです。データとして、フェーズ1(第一相)に登場した試験のうち、実際の薬として承認されるのは5%と言われています。さらに・・・まだ薬ではないわけですから、安全性、副作用など、リスクがきちんとわかっていない状況の中で使用しています。
つまり、治験とは、「新しい薬を試せるチャンスかもしれない」し、「安全性がまだはっきりと確かめられていないもの」ということと思います。利益も不利益も両面を持つものなのでしょう。
こうなってくると、思うことはこれです↓
その事情をすべて理解した上で
治験を治療に組み入れるべきかどうか
自分で考えたい。
なんだか、今までの説明(上記)は、非常にざっくりしているとも感じだしてきました。たぶん、知らないことだらけ。そう思う。だからもっと具体的に知りたい。自分にあう治験は何なのか?自分で探してみたら、もっと深く、いろいろなことが見えてくると思います。
ということで、「治験てなに?」始めます。
こんな感じで調べようと思っています。
<その1>
「そもそも治験とはどういうものか?」
その仕組み・内容をきちんと把握するところからはじめます
<その2>
「そもそも、患者は治験の情報をどう探すのか?」
治験に対する情報を得られなければ、何が良いのか、悪いのか、自分の治療にどう組み込むべきか、さっぱりわかりませんよね。実際に自分に合う治験は何なのか探してみます。
<その3>
「そもそも、治験に対して、患者側がすることは?」
その1、その2と進めていくと、患者側に必要なことが見えてくるのではないかと思います。それはなにか?
<メンバー紹介>
この企画に参加するのは3人。まずは自己紹介です。
■乱太郎のパパ
東京の西のほうに住んでる会社員50代半ばです。昨年の7月に1Aで手術しましたが、病理病期3Aの判定となり、その後臨床試験に参加して抗がん剤治療を行いました。EGFRもALKも変異がないので治療オプションを増やせる可能性を求めて治験を調べてます。 一緒に勉強しましょう!
■あさかぜ2
家内がEGFR陽性で、ジオトリフによる1st lineの治療中。月に1度の主治医の診察では夫婦で青くなったり赤くなったりしながら、日々過ごしています。家内は自分の免疫力向上、私は治療に関する情報収集が主な役割部分?治験には興味深々ですが、今のところその周りをうろうろするばかりの、いわゆる普通の肺がん患者(家族)です。
■さくえもん
神奈川県横浜市に住む45歳。2010年罹患。腺がん。ステージ4.EGFRやALKはなし。放射線治療、手術、薬、三大治療を行う。5THライン(計8個目)。自分のいく病院で治験のことを尋ねると、「うちではやっていません」と言われる。何も情報が入ってこないことが不安。一体どういうものなのか?とても知りたい。自分の治療に組み入れられるのであれば、組み入れたい、そういう希望を持っています。よろしくお願いします!
みなさん、よろしくお願いします!
そして!
この企画は、7月29日(金)、日本臨床腫瘍学会の患者プログラムで発表します。「患者が変える、がん治療」と題して、日本肺がん患者連絡会が発表する機会をいただきました。
学会は神戸で3日間行われます。ぜひ見に来てください。要申し込みです。患者プログラムはものすごく充実していますので、そっちを見るついででも。お弁当つきで3000円です。要申し込み。詳細はこちらからどうぞ。
http://www.cancernet.jp/jsmo2016/
今回はここまで。