個別化治療で大当たり 大逆転男 てるっちさん⑥
※20キロ痩せた3週間後、CTをとったら増悪していたというてるっちさん。
次の薬へ。
先生から提示された薬は・・・
ザーコリでした。
ん!ザーコリ???
これはALK(あるく)の融合遺伝子を持つ人が使える薬で、それを持っていないてるっちさんは使えないはずです。いや、そもそも使っても効果がない。どういうことでしょうか。
去年の11月に遺伝子を調べて ROS1(ろすわん)が見つかったんです。で、ザーコリが効くだろうということなり、この薬を始めました。
うお!
これは遺伝子スクリーニングをして、遺伝子変異が見つかったということです。
※ちょっと説明します。肺がんになると、みなさん遺伝子検査をすると思いますが、今回は、それとは違いますよ。過去、詳しく説明しています。
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しかも、見つかったのは、肺がん患者に1%しかいないというROS1(ろすわん)。
ROS1にはザーコリが効くことがわかっています。
その効果はというと・・・
この薬をはじめてからがんが進行するまでの期間が,19.2ヶ月という報告があります。これは生きている期間じゃないです。薬一個が聞いている時間ね。
なにこれ、うらやましいー。
あのー、てるっちさんは
まず20年生きると言われましたよね
治験をオーダーしているから、ぜんぜん普通の抗がん剤(アリムタとかドセタキセルとか)やらずにここまできています。
悪化したと思ったら、1%の当たりくじを引く
・・・なんていうの、うらやましい、しか出てこないよ。
ザーコリ飲み始めて、そうしたら、痛みもだんだんなくなってきたので今はオキノームをやめました。だから効いているのではないかと思う。今日画像検索をしたんだけどたしかに小さくなってた。
―――それはよかった。体重は?
元には戻ってないよ。今は63キロぐらいかな。なかなか戻らないと先生に言うと、抗がん剤使っているんだから、しゃーないよ、っていうんだよね。まあ、それもそうかと。
去年の年末から、治療で休職していたてるっちさん。
今年の4月の下旬に復職しました。その一週間前から、落ちた体力をもどすべく、「通勤」の練習をしたんだとか。朝起きて、電車に乗って会社に行く。そして帰ってくるという訓練ね。
そういえば、がんが発覚したとき、会社を解雇されました。その後の就職活動は、受け付けてくれる会社全部に応募したって言ってましたよね。
今回もそのド根性ですべてをカバーしているのかもしれないと思いました。
さて、インタビューもそろそろおしまいです。
―――肺がんが見つかったばかりの人に対して一言お願いします。
化学療法が日進月歩している。進化しています。だから、どんどん新しい薬が出てきている。だから、がんになったからと言って落ち込まずに、化学療法でいい薬がいっぱい出てきているからそれを続けて欲しいなと思います。
てるっちさんがいうと、本当に説得力があります!
だって、その通りだから。
―――大切にしている言葉を教えてください。
「耐えて勝つ」
もう抗がん剤の副作用に耐えながらも耐えながら勝つしかないんです。もともとはね広島東洋カープの古葉監督からサインボールをもらったんです。その時に書いてあった言葉なんです。
抗がん剤ってきついでしょう。それはもう経験してきたから。でもそれによってがん細胞が小さくなって、今生き延びてるわけでしょ。だからもうそれは、耐えるしかないということだよ。勝とういうと変なんだけれども、苦しいけれども何とか生き延びていく。という言葉は自分にぴったり合ってるかなと思う。
―――それは病気だけではなく、前の会社を見返してやるぜと言ったことも関係していますか?
そうそう、全部そう。仕事もそうだよね。辛い思いをしてきたわけじゃない。何とか見返したいと思うよね(笑)
てるっちさん、ありがとうございました。