なかちょんインタビューその1

サミットとワンステップの合同おしゃべり会の前に実施しました。体調が悪いなかインタビューに応じていただき、ありがとうございました。インタビュアーと本原稿の編集は、こころが担当しました。これから3回にわたって掲載します。

 

 

 

 

なかちょんのブログ

「肺癌Ⅳ期をポジティブに生きる」http://ameblo.jp/nakachon777/

 

 

- 自己紹介

 

 

 

 

ブログ名はなかちょんですが、サミットという患者会の代表をやっています中原です。2014年に肺腺がんのステージ4が発覚し、もうすぐ丸3年になります。遺伝子検査をした結果、ALK陽性が判明し、現在、分子標的薬のジカディアという飲み薬で治療しています。(インタビュアー注:2017年5月時点です)

 

 

 

 

― 発覚の経緯

 

 

 

 

当時勤めていた会社の健診が半年に1回あって、それで分かりました。半年前は何もなかったのに、半年後の次の健診の時に、肺に何か影があるということが分かりました。普通のX線のレントゲンで。その時は、石川県に住んでいて、病院にかかったときに、分からないということで、どんどん病院をたらい回しにされて、最終的に呼吸器内科に回されて肺がんということがわかったんです。

 

 

肺炎のあとだろうとか、悪くても結核だろうとか、若いからがんではないだろうという思い込みもあったのだろうと思います。それに、ちょうど肋骨のあたりに痛みが出ていたから、「これも何ですか」って聞いてたんですよ。そしたら、「恐らく、疲労骨折やろう」ということでした。レントゲン撮っても、CT撮っても、はっきり何かわからへんし。影があるのは間違いないけど、この大きさだったら3センチ未満やしみたいな言われ方しました。1か月ぐらい、病院をあちこちたらいまわしされて、最終的に肺がんだってわかったんです。

 

 

 

 

― がん宣告を受けた時、何を思ったか

 

 

 

 

思うも思わないも、何かもう頭の中に考えたのは、もう、あ、死ぬんやっていう気持ち。そもそも僕はがんになった人に対して、お医者さんがいきなり「がんです」って言うのを知らなかったので、いきなりだったんですよ。妻と一緒に行ってたんだけど、まあ大丈夫やろうって軽い感覚で行ってたんですよ。もしがんやったとしても手術で今は何とかなるって、言われてるし。

 

 

でも、よくよく聞いたら、がんがここに飛んでて、ここにも飛んでてって、説明をするわけ。こちらは、何も心の準備もない状態で。「悪くて肺がん、もしくは悪性リンパ腫」っていわれて、え?どっちも、がんじゃんと思った。本当にもう軽い気持ちでいたんで、まさかってなった。でも、最悪、がんやったら取りゃええし、どうせこれぐらいやったらステージ1やろ、ちっちゃいし。咳が出るとか、自覚症状が全くなくてね。でもステージ4。

 

 

 

 

― 病気が判って最初にやったことは

 

 

 

 

会社に行きましたね。とりあえずもう自分でどうしていいかわからんくて。宣告受けたのがステージ1、2、3じゃなくていきなり4やったんで。とりあえずもう終わりなんやっていうのしか頭になくて、だからもう最期の言葉を言っとかなあかんわと思った。「僕、こんなんでステージ4になっちゃったんで、恐らくそんなに長くもたないと思うんで」みたいなことを言った。そのときはもう怖くて余命とか聞けなかったんですけど、とりあえずこういう結果になったんで、一旦実家に帰りますって伝えました。でも、すぐに会社を辞める必要はなかったんです。

 

 

「まだ治療とか決まってないんやろ?もしかしたら長生きできるかもしれんし、働きながらできるかもしれへんから、とりあえず治療をやってみたら」って、一旦治療をしてこいみたいに会社の人は言ってくれました。あと、「今の医療はすごいから」とかも言ってくれた。その店長さんが、「とりあえずすぐに辞めんくても傷病手当てとかいろいろつけれるし、有給もいっぱい残ってるから、辞めるなら、それも全部使い切ってから辞めたらいいから」って言ってくれた。それはよかったと思います。だから、当初は治療をしながらずっとお給料をもらえていました。

 

 

 

 

― 治療の開始

 

 

 

 

ステージ4なので、手術はないですよね。最初はカルボプラチンとアリムタという点滴系の抗がん剤をやる予定で入院したんですよ。そしたら、ALKという遺伝子変異があるのがわかったんで、その入院当日に治験に参加できることになりましたって言われました。それが分子標的薬のアレセンサとザーコリの比較治験です。半々の割合で割り振られるからどっちに入るかわかりませんけど、とりあえずやってみますかっていうことで治験を受けました。ザーコリが選ばれましたね。あのとき、新薬の方のアレセンサに当たっていたならどうだっただろうかって思いますけど、今さらね。

 

 

 

2014年10月からザーコリを始めて、1年と3カ月やりました。その間に、脳転移とかして、もう治験終了かと思いきや、脳転移なら大丈夫ということで治験は継続になったんですよね。脳転移に対しては、2回ガンマーナイフをやりました。全脳照射はしていません。生涯に1回しか全脳照射はできないので、最終手段としてとっておいてます。2015年末にばたばたと増悪して、年明けからアレセンサに移行しました。その時にはすでにアレセンサが発売されてましたね。ザーコリの影響はあるんやとは思うんですけど、アレセンサが、思ったほど長く効かなくて、8か月ほどで耐性がつきました。

 

 

それから、点滴系のカルボプラチンとアリムタをやりました。アバスチンは入れてません。4回やって、アリムタ単剤での維持療法に入った瞬間の3週間後の2016年12月に一気に悪化しました。ついこの間なんですよね。一気に悪化して、もう危うく死んじゃうんじゃないかって。リンパがぼこんぼこんって腫れちゃって、全部。

 

 

分子標的薬のジカディアに薬を変えて、やっと落ち着いたんですけど、副作用がこれまた強く。分子標的薬の中では一番つらいです、ジカディアが。

(インタビュアー注:ジカディアは消化器系の副作用が辛そうです。詳しくはなかちょんのブログへ)

 

 

 

 

― 主治医との関係構築の秘訣

 

 

 

 

そこ結構な僕の強みですよね。僕のこの単純ばかみたいで(笑)、この無駄に明るいとこが、主治医との関係を深めたりしてるのかな。先生も僕の気持ちに応えてくださってるんで、うれしいです。冷たい先生じゃなくてよかったなと思います。とりあえず、先生とよく話すことですね。あと、無駄な話をしない。例えば、家族の話とか仕事の話は軽く流す、ぱぱっと、仕事大変なんですよぐらいの一言、二言で。

 

 

そして、先生と話すときは、やっぱり未承認の薬の話とかを聞き出したいわけじゃないですか。どんな効果があるとか。なので、ちょっと先生と話す前にお勉強をしていくんですね、ネットとかを使って。周りの人に聞いたりして。で、メモったことを先生に聞きに行って、先生、こういう薬ありますよねって。ちょっといやらしく聞くんですね(笑)。絶対、先生知ってるんで、そしたら、「え?あるよ」って言ってくれる。そしたら、先生も乗ってくるんですよね。そうすると、先生ちょっとずつ僕の知らないネタをぽろってしてくれるんです。

 

 

やっぱり先生なんで人を選ぶかもしれないですよね。この人に言うといろんな人に言って、要らぬ情報まで流してしまうかもしれないとかいう人には言わないかもしれないんですけど、ちゃんとそういう暗黙の了解じゃないですけど、秘密事項を守れるような人なら、ある程度教えてくれると思いますよ。ある程度ですよ。先生は僕がブログをやってることは知ってるけど、見たことはないと思います。

 

 

今の病院で3人目の主治医です。そこの病院の先生は、本当に明るい先生、面白い先生ばかりですね。先生に恵まれてますね。いっぱいいるんですけど、僕の当たった先生は本当にいい先生ばっかりで。先生が代わるとき、次の先生を指名することはしなかったです。病院が決めました。最初の先生は女性の先生で、すごい親近感わくような結構楽しい先生やって、めっちゃギャクとか言う面白い先生やったんですね。その先生は4カ月ぐらいですぐ代わっちゃった。

 

 

「次の先生は誰になるんですか」って聞いたら、「恐らくこの呼吸器内科の部長さんになります」って。「え?まじですか。めっちゃ有名な人やないですか」って喜んでたら、新しく配属された違う先生になっちゃって、ちょっと話違うやないですかみたいな感じで、ぬか喜びさせられて。でも、いざ会ってみたらすごい優しい先生で、何かクマさんみたいな、クマのプーさんみたいな人で、「本当はあの先生のほうがよかったやろ?なんかごめんね。」みたいな感じで言われて。「いや、そんなことないんですけど」って、大丈夫かな、この先生とか思っていたら、実はすごい手腕がある先生やった。でも、その先生も結局1年とちょいやったかな。海外に行っちゃっいました。

 

 

僕が調べるタイプの人なもんで、先生には「そんな情報どっから仕入れてくんの?」と言われるんですよね。それまだどこにも出てない情報だし、この愛知県でも知ってる先生って多分3人ぐらいしかいないよ(笑)、っていうような情報を持ってきたりするもんだから。治験で先行している人など知り合いから話を聞いています。患者がしゃべるような薬じゃないって、先生もびっくり。最近になって、分子標的薬のエントレクチ二ブの話が出てきてるじゃないですか。でも、まだ全然水面下のときに話したら、先生は非常に驚いていましたね。

 

 

先生といろんな話をする。楽しい話をするのもそうやし、家族の話をするのもそうやけど、できるだけこまめにコンパクトに伝えて、本当に大事なとこの話をする。大事な話をするときも、自分の治療に関してから、あんまりそれすぎないように。例えばALKやったらALKの薬に対してのこともピンポイントで突いて、ああ、ちょっと勉強してるなって思われたら、多分もうこっちの勝ちやと思うんで(笑)。

 

 

僕は10分ぐらいで基本診察を終わらすようにはしてます。やっぱり混んでるんで、あんまり自分だけのことで、30分、1時間も取ってると、後ろが大変やと思うし。聞きたいこと聞いたら、もうさっさ帰ってあげたほうが。先生も大変やろ。

 

 

どうしても聞きたいところは忘れないようにケータイにメモして。薬の名前は何ちゃらチニブっていうの多いじゃないですか、診察室に入る前に頭の中で覚えていくんですよ。

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