日本肺癌学会学術集会レポート その2(前編) 

みなさん こんにちは!

12月も下旬となり、お忙しく過ごされていらっしゃるでしょうか。

でも、この頃歳末の感じとか、クリスマスムード?とか、

街中からあまり感じられないと思いませんか?私だけかしら??

 

長谷川さんの代打で、肺癌学会学術集会のレポートを

ワンステッピちゃん4号がご紹介します(^▽^)/ 

▼日本肺癌学会学術集会レポート その2 事務局 mさん

 

12月6日~9日まで大阪で開催された学術集会に参加された方から、感想をいただいています。参考になることばかりです。

 

2回目は、事務局のmさんです。参加された3日間を時間を追って伝えてくれました。

まだ学会に参加したことのないみなさんにも、その場の様子がきっと思い浮かぶと思います。

 

 

【第60回日本肺癌学会学術集会に参加して】

会期:2019年12月6日(金)~8日(日)

場所:大阪国際会議場

テーマ:Toward a World without Lung Cancer

 

学術集会とは学会に所属する先生方が年に1回集い、日々の研究成果を発表する場であると同時にディスカッションを通じて最新の知識を吸収することを目的とする場所である。

 

今回は第1会場から第10会場まで10か所において、連日朝8時30分から最終日以外は夜7時30分まで肺癌に関する様々な発表が行われた。それ以外にも企業の展示会場のような広い会場でのポスター発表の場も設けられていて連日人であふれていた。ちなみにポスターの掲載期間は1日のみで、毎日貼り替えられる。演題、演者、発表時間と場所が小さな文字でびっしり記載された新書程度の大きさのプログラム冊子を物差しで測ってみたら1.3cmある。これだけ多くの医療者が肺癌を治すため様々なテーマで取り組み続けてくださっていることにまず驚いた。

 

 

患者・家族向けにはPAP(Patient Advocate Program)というプログラムと専用の会場が用意されている。連日9時30分から16時30分まで治療法についての講義や患者参加型の企画など工夫を凝らした内容であった。

会場近くのラウンジでは飲み物をいただきながら休憩したり患者同士の交流ができるように配慮されている。

 

【一日目】

宿泊先のホテルから25分の道のりを歩いて会場に到着。

PAP会場でのオリエンテーションには、今大会の会長でいらっしゃる光冨先生がお越しくださって、患者・家族に向けてメッセージをくださった。ありがたいことである。

 

 

続いて午前中は患者会の社会的活動についての講演と各患者会の活動紹介が行われた。

患者会活動を充実させていくためには、他の機関や専門家と連携しながら、患者・家族の立場からの発信をし、活動を広く知ってもらうことが必要ではないかと感じた。

 

午後は日本肺がん患者連絡会 長谷川代表のポスター発表

「石綿を要因とする原発性肺がんの労災保険制度の申請に対する、医師の診療体制の現状と課題」

「肺がん患者における石綿健康被害に対する当事者意識の現状と課題」の場に向かった。

前者は医師に対するアンケート、後者は患者に対するアンケート結果を集計した内容に考察を加えたものである。

石綿は現在では身の回りにはないことになっている物質であるが、石綿由来の肺がんは発症までに時間がかかることもあり、近い将来発症のピークを迎えることになるそうである。診療にあたる医師と患者双方が石綿由来の肺がんについて理解をし、救済制度への申請につなげるような啓発活動は必須であると感じた。

 

 

その後PAP会場に戻り世界と日本のがんアドボカシーをテーマにした国際交流セッションに参加した。

日本人はおとなしいせいか、政治や社会への関心が薄いためか、そもそもアドボカシーとはどういうことなのか浸透しているとは言い難いが、事例紹介や実際にアドボカシー活動をされている方からの実践方法などの講義があれば、聴講したいと思った。

患者や家族の立場になって困ったことはたくさんあると思う。そういったことを当事者が発信することで意外な方面から協力を得られたり、解決につなげることができるかもしれないので、患者会としてどう取り組んでいくか検討したい。


 

【二日目】

朝8時30分からの

「日本学術会議との共催シンポジウム 行動経済学・文化人類学・医療経済学から見たがん治療」

を聴講。他分野の学問の先生方をお招きし関連するテーマをとりあげることもあるのだということを知った。会場はほぼ満席であった。

私が面白いと思ったのは行動経済学の分野である。そもそも人間は不合理な行動をしがちである(例えば利益よりも損失に敏感である、やらなければならないと頭ではわかっていてもなかなかできない、他者が気になってしまう)という前提に立ったうえで、不合理な行動の特性のパターンと背景説明をできるだけ簡潔に整理する、というのが行動経済学である。

実際に応用された例では、日本のある市の健康診断受診率を上げるための工夫として、健康診断の申込書に「今年度大腸がん検査を受診したら、来年度検査キットを送ります」と書いた場合と「今年度大腸がん検査を受診しなかったら、来年度検査キットは送りません」と書いた場合では、後者の方が受診率は上がったそうである(損失回避)。ということで、患者の意思決定のくせをよく理解してコミュニケーション方法を工夫することが大事という結論に導かれるのだが、実臨床においては、特に治療法を選ぶような重要な局面においては患者以外の都合により特定の選択肢を選ぶように誘導されるようなことがあってはならず、倫理的妥当性について十分に検討がなされなければならないということであった。

 

次の文化人類学・医療経済学にも興味があったが、PAP会場にて「患者参加型ダイアローグ いつもと逆?医療者から患者・家族に聴きたいこと」の時間が迫っていたので、会場を後にする。

このプログラムを今回の学会の中で最も楽しみにしていた。医療者からいったいどんな質問が寄せられているのかということ自体に興味があるし、患者からの回答を知った医療者からどういったコメントを返していただけるのかということにも興味があった。内容については他の方からレポートが寄せられることになっているので、ここでは省略する。

 

 

昼食後は再びPAP会場を離れて、コンサートホールのような大会場での会長講演とPresidential Symposium を聴講。途中から会場入りしたこともあって、ほぼ満席であった。

会長講演のテーマは「肺癌と私の30年」。内容はもちろんプレゼン資料の隅々にいたるまで素晴らしく

先生はどの分野に進んでいらしたとしても立派な成功をおさめられていたであろうと感じた。

 

続いてのPresidential Symposiumは重要な内容であるがゆえに3演題ともに英語による発表で、ほとんど理解できず残念だった。

 

 

その後は患者会の先輩方と企業ブースで果物ジュースをいただいたりしながらリフレッシュ休憩。

「メディカルスタッフが知っておくべき肺癌ゲノム診療」の会場に向かう。

今年から本格的なゲノム診療がスタートし患者や家族は期待を持っているが、検査を受けても承認されている薬による治療に結び付く割合は低く、患者対応にあたるコーディネーターの養成や遺伝カウンセラーの配置など病院側も体制を整えつつ実施している様子を伺い知ることができた。

 

 

文字数制限の都合上、続きは後編としてUPします。

会場をワンステッピも見てみたいな~!

後編も読んでくださいね~(^▽^)/