治療は迷わず治験一本の男 てるっちさん④

―――治験は本当に「自分のため」になるのかしら?
   通常の治療よりも、効果の高い薬を使っているということなの?




最終的にはわからないよね。答えがないから。だって効く効かないはわからないのだから。

でも、治験というのは誰でもできるというわけではないんです。年齢制限があったり合併症持っているとできなかったりします。これは同じ病室の患者さんが言っていたんだけれども、治験はある意味選ばれた人にしかできないんだって。言われてみればそうだと思う。元気な人しかやっていないし。なおかつ若い人。年配の人でも70歳を超えている人はいないと思う。

 



―――選ばれた人しかできない、そう言われればそうですね。医師からそんなことを言われたことあります。

 

 

 

さて、ここでインタビューを整理します。

 

2つのことが疑問としてあがりました。

 

1 治験の効果は、通常(今)の治療よりも高いのですか?

 

2 治験は選ばれた人しかできない、は本当ですか?

です。

 

 


まずは
1 治験の効果は、通常(今)の治療よりも高いのですか?
について

 

 

国立がん研究センター東病院のHPにはこう書かれていました。

 

新しい薬が誕生すること- あなたのために そして未来のために -

がんの治療方法は、進歩し続けています。今、当たり前に使われている薬も、少し前には考えられなかった効果をもたらす治療方法なのかもしれません。
<中略>
まずは、参加した方の病気がよくなること。思わぬ副作用が生じることも十分に考えられますが、これまでの治療方法よりも有効な治療結果を得られる可能性があります。

 

(※全文はこちら。人のために役立つことも書かれていて、素直に納得します)

 

  

 

8月8日に行われたアキバキャンサーフォーラム2015において、私・さくえもんは臨床試験の講演を見てきました。そこでは「臨床試験に参加するとメリットがあるがん種」が紹介されていました。そんな分析があるのかとびっくりしましたが、肺がんはメリットがあるそうです。

(※詳細はまたのちほど。今はうろおぼえですみません)

 

 

 

でも、こんなことも書いてありました。

 

 

         

  

Q  臨床試験の治療法は、標準治療より、よい治療法なのでしょうか?

 

A 現在利用できる治療の中で、安全でより効果のある治療であることが、臨床試験などの結果から科学的に確かめられている治療方法を「標準治療」といいます。過去の臨床試験の積み重ねの結果、最良と判断された治療です。
<中略>

一方、臨床試験は、新しい治療方法がより最良なものであるかを評価する段階で行われますので、一番よい治療かどうかはその時点ではわかっていません。そのことを十分に理解する必要があります。

 

 
 

まとめると、こんな感じでしょうか。

 

今の治療より、よりよい結果を生み出す「可能性」がある。

 

 

 
 

次は

2 治験は選ばれた人しかできない、は本当か?
についてです。

 


国立がん研究センターが作っている、がん情報サービスを引っ張ってきます。そこには・・・

  

  

Q  臨床試験には誰でも参加できるのですか?

  

 

A  臨床試験には、その試験ごとに適格基準という病状やそれまでに受けた治療など、参加するための条件が設けられています。その条件に合わない場合には、試験に参加することはできません。かかりつけの病院がその試験に参加していない場合もあります。参加を考えてみたい場合には、まず担当医にご相談ください。

 

 

すみません。ちょっとざっくりした資料になってしまいました。

年齢制限や、合併症があるかどうか、PS(体が元気かどうかの指標)がどうかなど、細かい基準があるようです

 

やはり、全員参加できるということではないようです。


※がん情報サービス・臨床試験Q&Aはこちら

 

 

 
 

★インタビューに戻ります。

 

 

てるっちさんの最初の薬は治験薬。
つづいてTS-1。
この次の薬がどうなるか、というところでした。

てるっちさんは治験を要望。そして、今話題の薬へチャレンジすることになりました。

 

 

先生も治験探していて、そこで、免疫療法が出てきたんです。ニボルマブ(オプジーポ)。それを1年間やりました。

副作用は全然なかった。全く何もなかった。3週間に1回点滴をするだけ。

効いているかどうかは全然わからない。先生が言うには、抑えられていたのではないかと。要は大きくなってなかったから。現状維持だったんです。だから 結果的には効いたのではないかと判断しています。

 

 

 

―――1年間やって、耐性がついたからということで変更ですか?

 

 

いや、違う。肺に水がたまってきたんです。腫瘍マーカーも少しずつ上がってきました。で、肺に水もたまっていたので、これはもうやめようと。ということで打ち切り。活発に動き始めてきたという事でしょう。

 

 

 

てるっちさんは、EGFRやALKのない患者です。最初の薬からここまで3種類の薬を使いました。3年8ヶ月の月日がたっています。前々回に、「20年生きられる」とありましたけども、こういうことなのかと理解します。遺伝子変異を持たない患者が、わずか3種類の薬で4年弱を過ごすとは・・・ほんとにがんの成長が、スローなのだと思います。

 

 

ところが

「活発に動き始めてきた」

今回の増悪について、そう先生は表現したそうです。

スローな感じが変わってきた、ということでしょうか。

 

 

医師から、次の薬は?と問われると、もちろんてるっちさんは「治験」と答えたそうです。そして、次の治験へと進みました。