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「患者・家族・医療者のコミュニケーション」 

米澤さん その1

今回は昨年のパールリボンキャラバン2018の記録です。
2018年は後半に全国統一のテーマがありました。
それが「患者・家族・医療者とのコミュニケーション」

患者ー家族
患者―医療者
家族ー医療者

と、いろいろなコミュニケーションがあり、みんな向き合っています。

その体験談を披露してもらいました
まずは、米澤さんの講演です。

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初めまして、肺がん患者の会ワンステップの米澤です。「患者・家族。医療者のコミュニケーション」というテーマの中で、患者と家族についてお話しさせていただきます。

闘病中、大事にしていた事は主人とのコミュニケーションです。



今日、お話しさせていただくのはこの6つの事です。まず自己紹介、病気の経緯、今回のテーマであるコミュニケーションの事についてお話しさせていただきます。

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それでは自己紹介から

主人が患者でした。夫婦2人暮らしでした。子供たちは結婚して近くに住んでいます。孫は3人でしたが、今は4人になっています。

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2つ目の病気の経緯を

病気が分かったのは2014年2月でした。前年の12月頃から咳が出始め血圧の薬をもらっていた病院では「咳は長引くからね~」と言われたと話していました。丁度その頃知人から耳鼻咽喉科がいいかもと聞き耳鼻咽喉科へ。3回薬を変えても良くならなかったので呼吸器内科を受診するようにと言われました。

 

その間、レントゲンも撮っていました。駅長室で休ませてもらった事が何度かあったので近くの総合病院で検査をしてもらったのですが問題なしという事でした。2014年2月に職場近くの呼吸器内科のある病院を受診し、そこで「肺がん」だと言われました。主人は一人で病院へ行っていましたので私は職場で主人からの電話で「肺がん」と聞きました。翌日紹介状を持って総合病院を受診し一連の検査を受けて、告知。フィフスラインまで抗がん剤治療を受け、使える薬がなくなり無治療を選択し、在宅で約二カ月過ごし亡くなりました。仕事は在宅になったと同時に休職しました。

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3つ目の告知の時の事を

外来を挟むと治療が遅くなるからと入院と同時に告知を受けました。初診から2週間後でした。子供達も一緒に4人で聞きました。

縦郭原発の小細胞肺癌、肺内転移、背骨に転移有り。ステージⅣで心臓に近すぎて手術も放射線も出来ないという事でした。

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先生から聞きたいことはないですか?と言われましたが、ステージⅣという言葉で頭は真っ白。それでも何か聞かないといけないと思った私はステージⅣのイメージをそのまま口に出していました。

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言った後でしまったと思いましたが先生は「体力もあるから治療ができるから終末期というわけではない。」「余命は誰にも分らない。」と言われました。この時点で今すぐどうにかなるわけではないと思いました。この時は同じことを認識出来ていたと思います。結果的には聞いて良かったです。

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4つ目の治療中のコミュニケーションの事を

入院中は毎日、病院に顔を出していましたし、ファーストラインの通院日は休みを取って一緒に行っていました。セカンドラインからは主治医の診察日のみ一緒に行っていました。職場が近かったので通勤の行き帰りは一緒でした。

 

初めて主人と認識が違うと感じたのが、先生から経過観察についての話を聞いたときでした。小細胞肺癌は何クールか行い効いていると経過観察をして様子を見るという治療法です。6クールして完全には消えませんでしたが、小さくなっているので経過観察をすることになりました。

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主人は先生に「1年は大丈夫だろうか」と聞きました。先生は「1年あく人はまずいない。6ヶ月もあかないだろう、早ければ2~3ヶ月」と言われました。家に帰って話をしていると主人は6ヶ月、私は2~3ヶ月という言葉が残っていました。もしかしたら主人はいいように受け止めたかったのかも分かりませんが同じ話を聞いても心に残る言葉は同じではないんだと気が付きました。

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先生が言われたことは共通認識であった方がいいと思ったので、それからは診察に一緒に行っても家に帰ってからもう一度話をするようにしました。結局2か月後には癌は動き始め、3か月後には肝臓への転移が見つかりました。主人が6ヶ月と思ったままだったらもっとショックを受けたかもしれませんが、しっかりと話をしていたので、冷静に受け止めていたように思います。

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病気の話が出来ない、治療中だから先の話は出来ないという事を耳にすることがあります。日頃からいろんな話をしていました。治療中だから先の話も軽く話していたように思います。口にしないとわからないことが沢山あります。話をすると言う事は大事なコミュニケーションだと思います


 

続きます

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