ROS1座談会 パート3
前回からの続きです!
ROS1の座談会です。【パート3】
遺伝子変異ROS1は、非小細胞肺腺がんの内の1%です。
なかなか自分と同じ遺伝子変異を持つ患者と出逢えない中、今回は3名の方に集まってもらい座談会を開きました。
その模様をパート1からの続きです。どうぞ!!
登場人物は、男性A・男性B・女性C・聞き手となっています。
聞き手:SNSではどんなことをやってますか?
男性B:活動としては、特別これを目指してっていうのはないんですよね。ネット上でみなさんとはここに いるみなさんと同じように知り合いになったって感じです。(笑)
女性C:近況報告みたいな感じですよね。
男性A:雰囲気的には、どこ行きました。遊びに行きました。私、元気ですよみたいなのをみんな発信してる感じで。プラス自分の場合は、みんな知っていないエントレクチニブの情報、副作用こういうのがありますよっていったり、長く治療を続けてる人は、副作用がこんなのありますよとか、ブログで自分たちが知りたい情報。
女性C:自己紹介のようなコーナーも作って、自分の履歴を簡単にかいて。
男性A:自己紹介の欄もあり、誰でも最初に見れる状態にして、現況はこうやって治療してますよみたいな流れをですね。
男性B:SNSの私の勝手な思いとしては、伝えるっていうことが大事かなっていう気がするんです。一つ目は情報ですよね。新しい情報を伝えたい、もらいたいっていう、伝えっていうこと。もう一つは自分の思い。色んな思いが日常生活の中で出てくると思うんですけど、その揺らぎっていうのを伝えたいっていうところもあると思うんです。それとともに自分の過去の経験。私こんなつらい思い出があるのよとか、こんな大変なことがあったのよとか、今、こんな感じなのよというふうな、そういう伝え。
ROS1の人がいないと、なかなかそこら辺のところを理解していただけない。ROS1という立場さえ理解していただけない。
聞き手:治療法が違いますからね。
女性C:患者会では、毎回ROS1は一人なので、同じ薬を使っているALKのグループ入ってるんですけど、ROS1ってALKの人たちと比べると、使えるお薬がまだまだ本当に少ないですし、フィット感が今一つわかってないっていうのが、患者会に参加してても抱いていた気持ちがあったりして。 ROS1の何かできたらいいなっていうのはずっと思ってたんですよね。昨年立ち上げてくださって、ものすごくよかったって思いました。
聞き手:確かに、AYA世代の人たちも言ってましたよ。20代30代で肺がんステージ4ってなかなかいないので、そのメンバーが集まって、何をしてるわけじゃないんだけど、集まってるだけで十分みたいな、そんな感じでしたよね。
女性C:同じ状態にいる人が近くにいるって、妙な安心感を感じたり。
男性A:めちゃめちゃ親近感がわきます。
女性C:遠い親戚のような。
一同 :(笑)
女性C:初めてお会いしても、初めてお会いしたような感じがしないような、以前から知っている人のような。
男性A:いないですもん、ROS1の人が。
聞き手:活動としては、SNSで近況報告や、治療のことに関しても結構書いたりするのですか?
男性A:書いてます。
治験のことで特に思うのが、さっきお話したかもしれないんですけど、私の使うエントレクチニブはザーコリ使ったら使えないっていう縛りがあって、先にエントレクチニブして、そのあとザーコリはOKなんですけど、ザーコリ後のエントレクチニブはナシなんですよ。
そこをROS1の十何人に入った人たちだけにでも伝わればと思って自己紹介欄にも書いたつもりだったんですけど、やっぱりみなさん標準治療のザーコリの方にいって、効かない、脳転移した、でもエントレクチニブは使えな いみたいな。そういうのがあったんで、先にエントレクチニブを使うっていう手があるんよって自分なりに結構推したつもりなんやけど、伝わらない。
ROS1の人にでさえ伝わらないんで、まだ難し いなと思いますけどね。
男性B:病院の先生が悪いと思う。
男性A:そうですかね。
私はちなみに治験を一切すすめられてないです。お二人みたいに。こういうのがあるんよとかの話は全くゼロでした。
聞き手:そうなんですね
男性A:なかったですよ、全く。
聞き手:LC-SCRUMは自分から言ったっていうことですか?
男性A:やってくれました。もちろん自分で言って。診断されてから、治療が始まるまで結構長いじゃないですか。あの間に肺がんの本買ったら、LC-SCRUMっていうのがあって○○病院はLC―SURUM―Japanの中に入ってますっていうのを調べたんで、受け入れるっていうのは私も先に知っていました。
なおかつ先に検査結果を聞いて、ROS1もMETですかね。MET用に作ったけど、ALK、ROS1もしくはALKよりさらにROS1はやけに効くっていう話も本で見てたんで。で、なおかつその後に治験の話を聞いたんで、おかげさまで今こうやってエントレクチニブの治験を受けれたんですけど。
聞き手:確かに、後の薬の段階にいったときに、前のときにこういう選択肢が実はあったと知ったり、その選択肢を知らないまま進んでいったりは、嫌ですね。
男性A:特にROS1のは、私より年下の人が結局エントレクチニブを使えなかったってことがありましたね。30代のROS1の人がいるんですけど、そのひとも結果的に先にザーコリにいって、肺内の増悪があって、エントレクチニブ、そのあと脳転移があったんですかね。
結局とにかくザーコリの後のエントレクチニブは脳転移がないと使えないっていうのがあったんで、俺SNSで書いたやんとか思いながら。なかなか伝わらないですね。治療して効果が出るとは限らないし。
女性C:選択肢は提示してほしいっていうことですよね。
男性A:そうです。
女性C:実際やってみないとわからないけれども、こういった選択肢もありますよって、本人の前に出してもらわないと。
男性A:全くなかったですね。私、〇〇大学病院行ってたんですけど、治験は○○がんセンターでやってるんですよね。セカンドオピニオン受けたいんですけどって言って、紹介状書きましょうかって感じで。
男性B:私も男性Aさんと同じ病院の○○大学病院ですけど、治験がありますよって言われましたよ。
男性A:ザーコリですか?
男性B:はい。ザーコリ。
聞き手:・・・・
男性A:でも、医師からは治験の話は全くナシです。逆に医師からザーコリは後で使えるんですか?って聞かれて、使えるみたいですって言ったら、それならいいかもしれませんね、みたいな。治験を受ける価値があるかもですねっていう言い方だけです。
男性B:治験の情報はあんまりお医者さんに入ってこんのかな?
男性A:○○大学病院は入ってこんってハッキリ言ってました。私の担当の先生は知らないですもんね、私にもハッキリ言いました。へえ~とかって。こういうのがあるんですよって言ったら、へえって。
女性C:バスケット試験ですよね。
男性A:ROS1とALKとNTRKのバスケット試験なんですけど、ALKではあんまり効果が出てない。NTRKはまあまあ、どうかしたら脳転移のある人も効いてると、脳関門を通過するみたい。で、ROS1はメチャメチャ効いてるみたいな、海外データがあって、それを自分が見てて、これはいけるかもと思って。
聞き手:まだ募集中だったっていうことなんですね。
男性A:そうです。○○がんセンターで募集中っていうのは、オンコロさんのホームページで見て、オンコロさんに電話して聞いて、あとは自分でセカンドオピニオン行って聞いた方がいいですよ。って言われて。
今日も思ったんです。ゲノム医療の話があって、現在の治験はこんなのがありますよとかいう情報は世間一般的にないでしょう。例えばROS1の治験これがあなたには合ってますとか、自分で調べないとわからない状況ですよね今。自分が通っている病院で治験をやっていれば、話があるかもしれないけど、治験をやっていない病院に通っていたら、自分で調べないとたどり着かない。なので、自分はこっちの治療に進んでしまったっていうのが結構あるんかなと。
聞き手:そういう情報提供みたいなのはSNSで発信してるのですか?
男性B:ROS1に関しては、あまり治験がないんで動かないんですよ。ほとんど。一覧表作って時々貼り付けることはありますけど、もうそこからずっと動かない感じですね。ただ、情報としてはROS1の海外版のFacebookがあるんですけど、そちらの情報を解読しながらこんなのありますよみたいなんで。
聞き手:翻訳して載せてるんですか?
男性B:いや違います。
女性C:そこまでやってないんです。日本ではとてもまだ取りかかかる予定もないかもしれないですけど、新薬の情報とか入ってるじゃないですか。もう使ってて。で、第1相の中間報告が結構いい状態で入ってるとかっていう。そうのをアップしてもらって、アメリカではこういったのがこういうふうに出てますよみたいな、新しい情報として。
男性B:例えば、すげえって思ったのが、1年前にTR-X0005っていうお薬が出たんですよ。それアメリカしか治験やってなくて、これは参加できないなと思ったんですけど・・・フェーズ1です。1年ほど前それが始まったんですけども、来年の5月ぐらいにオーストラリアとサウスコリアでその治験を始めるという情報がその数か月後にわかったんです。それで、実はザーコリがが効かなくなって困ってる方がいらっしゃって、その方は海外の治験も目指してたんで、その情報も一応伝えてたんですよ。返って来た返事は何と、サウスコリアの治験、申し込んでるんですと。で、待機者として今、登録されてますと。
男性A:すげえ!
男性B:びっくりしました。グローバルだなと思って。
聞き手:名古屋の臨床中核病院に通ってるんですよね。
男性B:そういうふうにちょっとした紹介というか、偶然今回わかったんですけど、すごく私も勇気づけられました。いざとなったら韓国行けるじゃんって。
女性C:現実味を帯びましたね。
聞き手:アメリカと韓国とオーストラリアだけの理由って何ですか?
女性C:カリフォルニアの小さなベンチャー企業なんですよ。大きな製薬会社にその薬を売ったら、話が進むかもしれないけど。今回そのベンチャー企業では発表があるとFacebookに載ったんで、先生が見て来たらしいんですけど、副作用も少ないから、感触としては悪くないかなみたいなことは言ってました。
聞き手:でもフェーズ1ですからね。
女性C:だけど、この先の結果で日本でって可能性もあるかもしれないけど、今の時点ではそんなって感じのお返事でした。
聞き手:SNSで治療のこと、治験のことを発信していて、それがもう韓国の治験にエントリーしてますよっていう、そういう情報交換がされているというのがかなりびっくりしました。
最後に、一言何かありますか。
男性B:ROS1の仲間がもっと増えれば嬉しいなと思うんです。ワンステップのブログにもリンクを貼ってもらってるので、ぜひアクセスしてください。
聞き手:ありがとうございました。
ROS1の方、お仲間がおられます。
是非、繋がって下さいね。
