食事の工夫で栄養のチカラを見直そう

川口美喜子先生 講演その④&元NHKアナ 松本さん登場

みなさんこんにちは

 

 

▼日本臨床腫瘍学会の患者・家族プログラムです。

 

今回は元NHKの松本和也さんが来て、コミュニケーションをレクチャー。

紅白や英語でしゃべらナイト、のど自慢などなど、培った技術で、医療者とのコミュニケーションを教えてくれます。面白そう。トラベルグラント(交通費助成)もあり。遠くからでも行けるかもしれません。みなさんもどうぞ。

http://www.m2cc.co.jp/jsmo/2018/pap.html

 

 

 

▼川口美喜子先生 講演その④です。

 

それではどうぞ~!

<腸を健康にする>

 

 

 

皆さん、腸がどこにあるかわかりますか。腸が動いていますか?腸は大切ですね。こういう患者さん見たとき、経管栄養を入れて鼻からチューブ入れている人がいて、高齢者になるとそういう人がいますよね。そういう人見たときに、「こんな栄養でしか生きていけないのかしら・・・」と思うのは大間違いですよ。

 

 

まず、胃に栄養を入れて、食べる体力をつけるんですよ。だって、体力ないとき、お熱が出たら、ご飯って食べられないじゃないですか。たんぱく質なんか特に食べられない。それこそ梅干しとおかゆになってしまう。でもこの栄養剤にはたんぱく質もビタミンもミネラルも入ってるんですよ。それをまず胃に入れて、胃から腸に流して、そこから体力を回復するんです。それを腸の健康というんですね。

腸の中には腸内細菌がいて、全然ものを食べてないときに、うんこが出ました。そのうんこのほとんどは腸内細菌というぐらい、腸内細菌は腸にたくさん住んでるんですね。で、その腸内細菌が善玉と悪玉とどれぐらいいるか、そのバランスが腸の健康に影響している。しかも全身の免疫の70%が腸に集中してるって言われるんですね。だから、下痢をしている人、便秘をしている人、そういう人は腸の環境が悪いんですね。腸の環境をどんなふうに考えたらいいかなっていうと、善玉菌と悪玉菌のバランスをよくする。悪玉菌も善玉菌の餌になるから、ちょっとは必要なんですね。

脳とも関係するんですね。脳腸相関といいますね。腸内細菌の環境がよければ、腸がよくなって、それは脳に関連してきて、ストレスの対応とか抑うつの効果もあったりします。

じゃあ、どうやって腸をよくしたらいいの?腸内フローラのために何を食べたらいいの?腸を健康にする鍵はなあにっていうことになりますよね。

 

皆さん、何が思い浮かびますか。プロバイオティクス、プレバイオティクスっていう言葉が思い浮かぶでしょうか。

プロバイオティクスっていうのは、腸の中に菌そのものを入れておく。プレバイオティクスって、腸の中の菌をよくするものを食べていく。で、善玉菌の代表は乳酸菌とかビフィズス菌。乳酸菌を取って善玉菌を増やしましょう。

<善玉菌を増やす食事>

 

 

 

ヨーグルトとかチーズとか、納豆とかおみそとか。で、オリゴ糖は、善玉菌を増やすためのもの。何に多いかって、今(春)、旬ですね。アスパラとか。これから新ゴボウとか、おいしいでしょう。タマネギ、新タマネギとかおいしいですよね。新タマネギと新ゴボウと、それをバターでよーくいためて、ミキサーにかけて、それを生クリームと牛乳で割ると、おいしいおいしいタマネギのスープになったりするんですね。でも、なかなかそれが取れないのっておっしゃる方は、オリゴが薬局に売ってあるので、ちょっと使われたらいいかと思います。

それでもなかなかねっていう方は、ミルミルSとかR-1とか、そういったものを少し補助的に取られてもいいと思うんですね。お薬だけでなくっても、そういったスーパーのものでも、おなかの中の調子を整えるのには役立つことがあります。

私が最近、はまっているのは、梅酒とヨーグルトなんですね(笑)。梅酒ゼリーを作るので、それをヨーグルトに入れて食べるのが、最近はまっている。これ、私の作ったものなんですけど。

皆さん、ゼラチン使うことありますか。ゼラチン使い上手ですか。ゼラチンって、すっごく簡単なのよ。ゼラチンって、スーパーに行くと、ゼラチンって書いた(?)パウダーがあるので、それ、お湯をちょっと温めて溶かして、それに果汁だったり梅酒だったりを入れて冷蔵庫に入れとけば、もうゼリーができちゃうのね。どこそこ、あのパーラーの500円のゼリーを買わなくっても、自分で好きなもののゼリーが本当に簡単にできちゃうのよ。ゼラチンって安いし、好きなものができるの。で、自分の季節の好きなフルーツ、ぽんぽんぽんとか入れてね。ただし、メロンとかパイナップルをそのままするときには、酵素でなかなか固まらないので、1回、熱をかける。で、固めるとおいしいのができますなんて話をしていると、だんだん、困ったな、時間が無くなってきた(笑)。

 

 

 

一同      (笑)

 

 

 

<食物繊維も大切>

 

 

 

食物繊維は、善玉菌の餌になるから、食物繊維食べてください。

おなかの調子を整えるときには水溶性食物繊維ですね。大塚から出してる、オレンジ色の食物繊維の多い飲み物(ファイブミニ)とかあるじゃない。あれ食物繊維が見えないよ。こう、振っても見えないけど、それは水溶性食物繊維というので、見えないんですね。常に目に見える繊維があるものが線維かと言うとそうじゃなくって、水溶性のものとかあるんですね。水溶性の食物繊維っていうのは、果物とか海藻とかマメ科に含まれています。

すごーく食べにくいけど、ゴボウが食べたいよ、こんにゃくが食べたいよっていうときでも、ゴボウの、今の旬の香り、すっごくいいじゃないですか。でも、ゴボウは繊維があって食べにくいからっていうときには、ゴボウをさっき言ったみたいにバターでよーくいためて、ミキサーにかけたり、ガーってしてそれをスープにしたり、それから、お煮しめをガーっとハンドブレンダーにかけて、ゼリーで固めるとゴボウゼリーになったりするので、ぜひぜひ、本当に簡単なんですよ。ここで作ってあげたいぐらい簡単ですね。

<食べることは生きること>

 

 

肺がん治療中のお父さんのことで相談に来られた息子さんがいたんですね。そのときに、お父さんが化学療法5クール目で、翌週、また入院するんだけど、5カ月で体重が27キロ減っちゃって、味覚障がいと食欲不振があるんだって。で、本人も食べる気力がなくなり・・・でも、僕は息子として何とかしたいんだと。何か、まだ食べられるから食べさせたいって言われて、私が挙げた項目は8項目。食卓の食事の量をちょっと減らしてくださいと。盛りつけを少なくしてください。切り身は小さく、鳥の空揚げは小さく。これまで食べてきたものでおいしかったもの、懐かしい味、お父さんと一緒にメモ用紙に書き出してください。で、そのときの思い出を2人で語ってみてください。

 

 

また体は、休めていたあと、すぐに食事を食べられないんです。お父さん、起き上がってきて、あ、起きてきた、じゃ、ご飯にしようって言っても、人はそんなことはできないから。運動に準備運動があるみたいに、ご飯を食べる前も、体はちょっと起こして、お口をすすいで、例えば、おろしリンゴをうすーくのばして冷凍しといたのを一口、口にして、ほっとしてから食事っていうふうにしてください。大切なことは口は清潔にしてください。誰でも口が粘っていたら食べられないので、ゆすいでください。春に来られたんですね。小さいおむすびや一口大のおむすびを詰めた花見弁当を持って出かけてみたらどうですか。春を感じるというのも大切ですね。

 

 

7番目。食事の時間に構えて食事を取ろうとしないで、間食に紅茶を。紅茶にジャムをちょっと入れたり、チョコレートを一かけ。それから、ミカン缶を冷やしてちょっと食べる。それでもカロリーアップしたんだよって思ってください。それから、最近の栄養剤はおいしいんです。栄養剤をすすめてくださいっていうことをおすすめしました。指導してからは、普通の食事がちょっと食べれるようになったというお手紙をいただきました。

やっぱりそのときそのときの、私も栄養指導の仕方があります。がん患者さんが、治療を目指していらっしゃるとき、免疫力の低下防止、栄養状態の維持改善のために、お口から食べることだけではなくって、先生に鼻から栄養を入れてもらうことも静脈栄養することも私はすすめます。とにかく、患者さんが「もういいよ、もう、栄養のことはいいよ」って言われたときに、調理師としてもっと食べやすいものを作りますよって言うのと、管理栄養士が栄養の治療をするのは少し違うんです。

 

 

管理栄養士は何ができるかって言ったら、その患者さんの検査値を見ます、状況を見ます、その患者さんの目標を決めたときには、患者さんはもういい、鼻からの栄養は嫌だと言われても、私はそれを積極的にすすめます。そのときには、もう一頑張りしようじゃないかというときには、やっぱり治療とか日常生活に耐え得る体力維持の栄養治療を管理栄養士としては自信を持って、プライドを持っておすすめすることにしています。

でも、治療を目指していたんだけれども、悪液質になって、栄養障害になって、最期に酒を飲んでみたいっていう方もいらっしゃるでしょう。そのときにも、やっぱり私は食べる喜びとして、食事はつないでいきたいと思ってるんですね。それはなぜかっていうと、生きることは食べることであると思ってるんですね。

食べることは、過去の思い出とか、過去のこと、いろんなこと、それから、自分の食べてきた習慣をつなぐもの、そして今があり、一歩先をつなぐものなんですよ。一歩先が見える治療なんですね。なぜかというと、食べたいものを思い浮かべられる。それが全部食べられないとしても、次に食べたいものが何かこうだっていうことは、やっぱり命をつなぐことだと思っているので、そこに私はいつもいてあげたい、いつもいたいと思ってるんですね。