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アクティブペイシェント・山岡鉄也さん③

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ステージ4の肺がんを患いつつも仕事に復帰。社会に役立つことをしたいと、「がんと就労」をテーマに活動しています。自分の体験を伝えることも含め、早期緩和ケアやがんリハビリテーションを実践してきました。まさにアクティブ患者です。

しかし、アクティブに行動するだけでなく、他の方法でも、QOLをあげたり、体力を維持向上させたりすることが大切だと語ります。それは特別なことではなく、「日々の生活の中」にあるんだとか。今回はそんなお話です。

いろいろコントロールして毎日規則正しい生活を心がけているんだけども、ちょっとした時、人と話が弾んでしまって夜疲れ過ぎてしまう時がありますよね。次の日は本当に辛くて。そういう時はいくら気合いでやろうとしても、やらないほうがいいですよ。体を壊してしまうからね。

逆にちょっと横になっておきたいなという時に、思い切って立ち上がってみると、実は改善してしまうということもありますよね。例えば、朝とか、何だか調子が悪いなという時に、「でも今日は○○さんと会ったりできる日だなあ」と思えれば,全然変わるというか。それは長谷川さんもそういうことありませんか?今日は誰かと会える日だなと思うと元気になったりしますよね。

 

山岡さんが講演の時に使うスライドには、「毎日、QOLや体力の維持向上に努める」とし、4つの項目がありました

1 余裕を持ったスケジュール

 タスク(TO DO)に追い詰められないようにする。質的にも量的にもスケジュールを盛り込まない。

 

2 マイペースを守る

調子が悪くとも、マイペースで好きな仕事に取り組むうちに、体調が好転することもある。無理や我慢はしないで、かつ行動は慎重に。極力出張は避け、原則宿泊する出張はしない。夜の会食は避ける。食事は必ずとる。薬も必ず飲む。原則残業はしない。

 

3 体力維持を心がける

運動は治療と考える(有酸素運動、腹式呼吸、ストレッチ、軽い筋力トレーニング)。良質なたんぱく質摂取。

 

4 フィジカルな苦痛ははやめに対処する

咳止め、下痢止め、痛み止めなどを常備。フィジカルな苦痛を早めに対処しないとメンタル面でも厳しくなる。

 

みなさん、読んでみてどうでしたか?

私は患者だからかもしれませんが、すごくリアルに感じました。こんなにパキっと言葉になることはなかなかないですよね。患者生活のヒントがたくさんつまっていると思いました。

 

 

さて、インタビューもそろそろ終わりに近づいてきました。

今、がんとわかってから、ちょうど5年になります。

山岡さんはどのような心境なのでしょうか?聞いてみました

 

山あり谷ありあって・・・もちろん谷がいっぱいある。何度も薬に耐性がついて、たくさん抗がん剤治療をしてきたし、重粒子線のセカンドオピニオンとか行ったけど、適用できませんとか。そういうところで落ち込みもあるし、パニックになった時なんかも、本当にこれは厳しいのではないかと思って会社の上司に何度も相談したりとか、何回も治療が変わって、入院をしなければならなくなったりとか。治験も最初は会社を1ヶ月休みましたから。

 

ーー入院しなければいけないからですね

 

それで欠勤もしています。せっかく復職したけれども、復職すると有給は使い果たしちゃってるから、ないですよね。なくっても入院しなければいけないから、欠勤したりとか。

話が脱線しましたね。今の心境についてでしたよね。、これは妻から言われたことなんだけれども、毎日毎日を感謝して生きる。

今は毎日を大切に生きています。で、それを感謝する。自分はそこまでは悟りきってはいないけれども、最初の頃は、そういう心境の片りんすらわからなかった。だけど、今は自分でできること、ベストエフォート(最大限の努力をする、という意味)を毎日、繰り返していくということを意識しています。

 

 

がんになったばかりの人へ アドバイスをお願いします。

 

本当にね、山あり谷ありです。その中で常にベストエフォート(最大限の努力をする)を。メンタル的にきつい時もあるけれども、今はいい薬もありますし、そういう時は早め早めに積極的に対処しましょう。

 

大切にしている言葉を教えてください

 

 


「感謝」です

まず妻に感謝しています。 その他大勢の支えていただいている方に感謝しています。また、このような中でも、山あり谷ありでベストを尽くしているこういう毎日を送れるということにも感謝しています。

 



これにてインタビューは終了です。
山岡さんありがとうございました。

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