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日本肺癌学会学術集会レポート その4

再び すーさん(後編)

みなさん こんにちは。

飛び飛び続いております、日本肺癌学会学術集会レポートです。

 

今回は、前回学会の会場や3日間の様子を伝えてくださった すーさんが再び登場。そしてその後編です。

 

 

取り上げていただいたセッションははみなさんからのアンケートがもとになっています。覚えていますか?夏くらいに取っていました。そして!みなさんが答えてくれたこと、学会で発表されました。結果やその時のスライドなどはまた後程、出しますね。

 

とても興味深い結果が出ています。

これは、本当に肺がん患者さんのためになっていると感じています。

皆様のおかげです。ありがとうございます。

 

 

         

<日本肺癌学会学術集会レポート その4 すーさん②・後編>

 

 

 

 

▼「特別企画 癌患者の就労 プリセプターシップ企画」

 

 


進行期肺がん患者の治療状況は激動している。
医師は就労支援を含めた視点から治療のマネジメントの必要がある。

 

 

「肺がん治療と両立に関するアンケート」医師381名 患者458?名

 

 

 

アンケート結果

 

 

・アンケート 患者は14%位退職→仕事と治療の両立が出来ているのでは

 

・心の問題浮かび上がる→化学療法と仕事の両立で大変だったこと
 体 50% 心 50%

  

・医療機関に工夫して欲しい→化学療法の出来る時間の拡大(土曜日等)

  

・治療の開始前に就労について話し合いあったか?→ない

 

・薬物療法で最も希望すること→どんな化学療法がいいか、選択肢が欲しい

  

・「医師と相談したい、先生と話したい」患者の心情を表している

 

 

 

《医師から提案する、就労を意識した肺がんのマネージメント》

 

 

池田 慧先生 神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科

 

 

 

「患者の就労をどう考えているか」アンケート

 

 

就労の希望あればサポートしたい医師→68%

希望する理由によってサポートするか判断→30%

 

 

・就労を意識した医師の介入ポイント

 

 

病院受診~診断時の最初の段階

  

 医療者から質問があり医師も含めて話合った→30%

  

 主治医は就労状況を把握しているか→していると思う 31%

 

          どちらかというとしていると思う 41%

 

 

・病名の告知→激しく落ち込む→回復まで2週間

 

 

・告知後2週間は重要な決断避ける

 

 

・就労中患者→がん告知→離職のタイミングは、診断時、または治療の導入時が4割(びっくり離職)

 

 

・びっくり離職を防ぐのに医師の役割大

 

 

①    びっくり離職の予防

 

 

  仕事はやめないで、のひと言が患者には大きい・重い

 

 

  一度退職すると戻れない、再就職も困難

 

 

②    就労に関して相談しやすい雰囲気作り

 

 

医師から話することで質問しやすくなる

 

 

・医師は自分のところで話を止めず、相談支援センターや専門部署に繋ぐのが重要

 

 

・支援が必要な人を見逃さない支援作り必要

 

 

・患者に役に立つインターネットのサイトを紹介

 

 

 国立がんセンター がん情報サービス

 

 

 中外製薬「がんウィズ」

 

 

 

「治療計画からがん治療開始」

 

 

・患者アンケート 退職は少ないが休職含めると50~60%が退職・休職

 

 

・退職の理由

 

 

①    治療・病気による不調 38%

 

 

②    職場との関係性    30%

 

 

③    通院時間確保困難    6%

 

 

「薬物療法と就労の両立における問題点」

 

 

→問題点 治療の副作用や病気による身体の不調 49%

 

 

・複数ある治療の選択肢 患者の状況に応じて提示出来ているか?

  

・例:シスプラチンよりカルボプラチン→吐き気が少ない

  

・タキサン系よりアリムタ、S-1→脱毛少ない

  

・医師は知識を生かして患者へ選択肢の提示が出来てないのが問題

 

 

 

“NPO法人京都ワーキングサバイバー”のデータ

 

 

医療者に望むこと→もっと患者の職業に関心を持って欲しい

 

 

職業によりどういう副作用が困るのか違う

 

 

・仕事や生活に影響を及ぼす副作用が患者の生きる糧を失う

 

 

・患者毎の最適を患者と相談しながら模索していく必要あり

 

 

→通院の問題点

 

 

・在院時間を短くする工夫必要

 

 

・例)シスプラチンよりカルボプラチン→点滴時間が短い

 

 

・採血は化学療法の患者優先

 

 

・前日来院して採血

 

 

 

→職場の理解が一番難しい

 

 

・従業員ががんを発症→事業所が相談できる所あまり無い

 

 

・退職・休職をした患者が病状が安定→復職を希望しても、フルタイムは肺がんが一番難しい

 

 

・ハローワーク「就労支援ナビゲーター」がいる

 

 

 

 

《パネルディスカッション》

 

長谷川さん

 

 

複数の治療選択肢があるなら示して欲しい、この薬はしびれがある、点滴の時間が違う等
半休か一日の有給か。

 

 

患者が会社を休まなければいけない全体の日数が分かる。

 

 

時間・副作用・薬の効果を話して欲しい。もし患者がその時理解出来なくても、後々分かってくる。先生が話してくれた、と思うと前をむける。

 

 

 

 

(パネルディスカッション司会の先生のお話がほとんど聞き取れず・・・)

*メモしきれなかったこと、抜け、沢山あります

 

 

 

 

《感想》

 

 

私の初回治療の時、治療の決定前に主治医から就労状況についての質問や、就労を継続したいかなどの話があったかな・・・と思い出してみたのですが、思い出せませんでした。

 

 

 

ただ、緊急入院だったのでパニックになって「仕事をそんなに休めない、早く復帰したい」と大騒ぎしていたのは覚えています。主治医はそれで汲み取ってくれて初回治療はEGFR-TKIのなかで最も副作用が軽く効果も遜色ないイレッサに決定してくれたのだろう、と気付いたのは少し後になってからでした。仕事のことも考えてイレッサにしました、というような説明は当時はなく、なぜジオトリフにしてくれなかったのだ(私の治療開始の5ヶ月前に発売されていた)、と当時は不満に思ったこともありました。

 

 

 

私の主治医はとても患者思いのやさしい良い先生ですが、イレッサにした理由も話してくれていたら、当時の私はもう少し前向きになれていたのかも知れません。ただ、主治医の判断のおかげで現在まで就労は問題なく継続出来ており、やはり就労可能年齢のがん患者にとって初回治療の決定は、就労継続の可能性も考慮して慎重に話し合って決めることの重要さを今回のプログラムであらためて再認識させていただきました。
 

 

 

 

 

すーさん、レポートありがとうございました!

働き盛りの方たちにとって、仕事の継続はとても重要な問題ですよね。びっくり離職、先生の優しい一言で思いとどまらせて欲しいと思いました。

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