がんでクビ!解雇された男 てるっちさん②

今回は「がんでクビ!解雇された男」てるっちさん(40代)の登場です!

40代半ばの働き盛りで、突然がんを宣告されたてるっちさん。ステージは進行した4でした。家のローンもあって、仕事のことがもっとも気がかりだったと語ります。

 

 

仕事は当時銀行に勤めていたんです。だけれども銀行がたまたま合併にするという時期だったのです。そうすると行く人と行かない人がいるんじゃないですか。で、治療で入院にしなければいけないんだけども、それが1月から。合併は4月から。だから入院している間に合併になってしまったんです。それで合併した後どうしますかと言われた時に、私は行きますと回答したんですけれども、再雇用はされなくて解雇になってしまったんです。

 

 


―――いきなり解雇ですか?

 


そう。クビ。1ヶ月前に 通知が来て再雇用はできませんと。たから、春から無職。だからここの方がやばかったです。本当にもう!だってさ、無職でさ、がんになるわさ、本当に最悪だなと。

 

会社は吸収される側で、みんな行ったんだけれども、私だけ行けなかったんです。要は病気なんだからそれでしょと。退院した後、仲間に聞いたら、あいつはがんだからもうだめだろう、とのことで採用をされなかったらしい。だからそう考えると、汚いよね。冷たいというか。だから本当にそこで腹が立った。だからもう絶対に許せない。

 

家のローンをもあったし、働かないといけないからすごく悩んだ。ただ、働けないんだよね。治療の副作用があって。髪の毛が抜けたのと、足の裏に水疱ができて歩けなくなった。痛くて歩けなくなったのね。だからとりあえず治すしかないと。治療が終わらないと次のステップに行かないから、とりあえず治そうと決めて。年内は治療に専念して、お金は傷病手当つかってなんとかしてもたせたんだ。

 

 

4年たった今でも、てるっちさんはこのことを話すと、自然と声が荒くなります。

そして解雇されて一年後、治療が一段落すると、就職活動をスタートしました。

 



がんを患うと仕事はどうなるのか・・・
厚生労働省のデータをみてみます

赤色で資料に書いてありますけども、3割の方が依願退職・解雇されているようです。

このデータ、いろいろ解釈できると思うんだけど、とりあえず、がんに罹患すると、給料も減るようです。

相談事項も仕事に関することが一定数あります。治療と仕事をどう両立させるか?そんな相談が多いようですね。そりゃ、働き盛りががんを患えば、仕事・お金のことは重大事項です。

 


国も支援を始めています。

大事なのは、がんになっても簡単に会社を辞めないこと。辞めなくともなんとか続けていく方向を模索するように言われてます。辞めてしまうと、再就職が難しいという現実があるためです。


さて、てるっちさんの就職活動に話は戻ります。

 

 

 

 

―――就職活動では、銀行員のスキルが役立つとかあったのですか?

 


いや、ないないない。そういうのはもう関係がない。

 


―――関係がない?

 


だってもう年が40を過ぎているでしょう。40を過ぎていたら、銀行員だろうとそんなものは関係ない。経歴がどうのこうのとかそのことを言ってられない。だってもう40を過ぎているんだよ。普通の会社だったら取らないよ。

 


―――確かに40を過ぎた人が正社員になることはない感じがします。

 


だからもうそのことを言ってられないんだよ。とりあえず応募をして。

例えば僕なんか仕事を探すのにリクナビってあるでしょう。そこの中に登録しなければいけないんだけども、職歴とかいろいろ書き込んでいくわけ。その中で給料とか条件とか自分がどういうところに行きたいかを入れていく。でも、条件がいいところに応募しても、採用してくれるかどうかはわからない。そういうところを探すの時間もかかる。だから、どうしたかというと、すべて応募したの。

 


―――すべて?

 


すべて。募集をしているじゃない。そこにすべて応募したの。その結果、返事が来るところもあればこないところもある。来ないところはいい加減なところなわけだから、そんなところはどうでもいい。で、来た会社に対してどんな会社かなと。この会社はいいなと思ったら面接をお願いします、と。そうやっていったんだ。

 

 

げげげ、
かっこいいな。

結局、てるっちさんは内定を4社から受けます。

 

 

結局はやる気だと思う。働きたいという気持ちがあれば、できると思う。それだと思う。本当に働く意思があって、何も問題なく働けるのであれば、働けると思う。

 

 


―――病気のことは就職の時に言ったんですか?

 


もちろん。会社には病気のことを言って入りました。会社はコールセンターなの。だから土曜日日曜日でも働ける。平日は病院に行きたいでしょう。だって外来に行くのが平日だもの。だから土曜日と日曜日に働いて、平日に休みのところを探していたの。それでコールセンターに入りました。ところがコールセンターではなくて営業をやれないかと言われて、そうすると平日は仕事になって病院に行けない。それを伝えるとそれは構わないよといってくれて。平日休んで構わないから営業の方がいいんじゃないですかと。それで営業に入りました。

 

 


―――いい会社ですね。何か理由があるのですか?

 


社長の知り合いがん患者がいて、その知り合いが普通に働いていた。がんでも働けることを知っていた。がんに対して知識を持っていたんだよ。だから採用が決まったのかもしれないね。

 

 


―――就職が決まった時の気持ちはどうでしたか?

 


やっぱりそれまできつかった。でも銀行を見返してやるという気持ちがあった。だから、良かったという気持ちかな。今の会社に入って本当によかった。ボーナスも出るし。今勤めて3年くらいになるんだけれども給料もアップしたし、役職もついてきたしね。

 

 


がんで解雇。そんな屈辱の中で、銀行を見返してやると再就職をきめたてるっちさん。内定が出たときのご家庭での夕食は、格別だったろうなあ、と思います。奥さんと子供の顔、じーっと眺めちゃったりしたんでしょう。浮かんできますね。

 

 


今回はここまで。

次回はまたまたキャッチフレーズが変わり、
「治療は迷わず治験一本の男」です。

本当に治験ばかり。そもそも治験とは?
なぜそのような治療を選んだのでしょう?